一般社団法人健康医療相談品質向上協会(AHMC)の設立
2024年3月5日、東京都にて新たに一般社団法人健康医療相談品質向上協会(AHMC)が設立されました。この協会は、ティーペック株式会社、ダイヤル・サービス株式会社、株式会社法研の三社が協力して、健康医療相談サービスの健全な発展と品質向上に取り組むことを目的としています。
設立の背景
日本の医療制度はフリーアクセス制を採用しており、軽い症状であっても医療機関の受診が可能です。しかし、患者の受診意識の高まりや医療機関のアクセス増加により、医療費は年々増加しています。特に、産婦人科や小児医療機関の減少が問題視されています。この状態が続けば、日本の医療環境がさらに厳しくなることは避けられません。
医療従事者を通じて行われる健康医療相談は、無駄な受診を避けることができるため、医療費の抑制に貢献しています。しかし、現状では子ども医療電話相談事業のような民間委託の形式が、入札方式による低価格競争を引き起こし、サービスの品質維持が困難な状況でもあります。
このような課題を踏まえて、健康医療相談のノウハウを持つ三社は協力し、業界の基準やガイドラインの確立を目指しました。そして、2024年3月にAHMCが設立されたのです。
AHMCの目的
AHMCは、健康医療相談の提供を通じて、医療費の抑制やサービスの品質維持、信頼性の向上を目指します。具体的には、利用者のニーズに応じた遠隔健康医療相談事業を拡大し、業界の持続可能な発展を促進します。
設立後は、協会を通じて、参加企業に必要な情報をまとめ、サービス提供の質を確保するための活動が行われます。また、関連企業の新たな加盟も受け付けており、より多くの仲間と共に業界全体の改善を図る予定です。
企業の特徴
ティーペック株式会社は1989年に設立され、24時間健康相談事業のパイオニアとして知られています。医療従事者が在籍するコンタクトセンターを運営し、セカンドオピニオンやメンタルカウンセリング、生活習慣病へのアプローチなど、多くの健康・医療に関連するサービスを提供しています。また、近年は「健康経営優良法人」の認定を受けており、信頼性が高い企業です。
ダイヤル・サービス株式会社や株式会社法研も、医療相談の品質向上に向けたさまざまな取り組みを行っています。
今後の展望
今後、AHMCは健康医療相談サービスの利用者からの信頼を築きつつ、業界の透明性と品質の向上に向けた具体策を模索していくことでしょう。各企業が持つ知見や技術を活かし、より多くの人々が安心して利用できる医療相談サービスを提供することが期待されています。
AHMCの設立は、健康医療相談の新しい基準を築く一歩です。今後、彼らの取り組みがどのように進展していくのか、注目が集まります。