Visa、2025年より日本でクリック決済を本格展開予定

Visaが日本でクリック決済を導入

Visa・ワールドワイド・ジャパン株式会社は、2025年から日本国内で「クリック決済」サービスを開始する計画を発表しました。この新しい決済方式は、カード情報の手入力を必要とせず、オンラインショッピングの利便性を大幅に向上させるものです。具体的には、Visaのトークンサービスを活用し、より安全でシームレスな決済体験を提供することを目指しています。

クリック決済のメリット

Visaのクリック決済は、EMVCoの標準規格に基づいて開発されており、ユーザーが事前にカード情報を登録することで、ショッピング中の手続きがスムーズになります。これにより、ユーザーは毎回カード情報を入力する面倒から解放され、特にeコマースでのカゴ落ち率の低下が期待されます。実際に、クリック決済を早期に導入したJust Eat Takeaway.comでは、手入力に比べて不正利用が50%削減される効果が報告されています。

日本国内のeコマース市場は2023年度に24.8兆円に達し、前年比9.23%の増加が見込まれていますが、その一方で高いカゴ落ち率が課題とされています。このクリック決済がどのようにこの課題を解決するのか、今後の動向に注目です。

参加カード会社と登録方法

日本国内のすべてのVisaカードが原則としてクリック決済に対応可能ですが、事前の登録が必要です。対象のカード発行会社は多岐にわたり、あおぞら銀行や三井住友カード、NTTドコモなどが参加しています。各社のウェブサイトやアプリを介して、順次登録が可能になる予定です。Visaの公式ポータルサイトも開設される計画ですが、現時点では準備中です。

期待される影響

Visaのクリック決済の導入は、消費者だけでなく、加盟店や各パートナー企業にとっても多大な恩恵をもたらすとされています。決済プロセスの簡素化により、顧客満足度が向上し、加盟店は取引完了率や売上の増加、不正利用の減少といったメリットを享受できるのです。Visaの代表取締役社長、シータン・キトニー氏は、「このたびの発表は、顧客中心の決済エコシステムの構築に向けた重要な一歩である」と強調しています。

パートナー企業の声

クリック決済を導入するパートナー企業も期待感を示しています。Adyenの日本カントリーマネージャー、アダム・ブラウンステイン氏は、「クリック決済は決済を簡素化し、より良いユーザー体験を可能にする最適なソリューションだ」と述べ、SBペイメントサービスの平田敏昭氏も「安全性と利便性を兼ね備えた決済は、消費者と加盟店双方にとってのWin-Winとなるだろう」と話しています。