障害者と健常者の共生を謳う音楽イベント「共鳴の宴」開催

「True Colors Festival Special Concert 2025 共鳴の宴」開催

2023年12月4日、東京の増上寺大殿で「True Colors Festival Special Concert 2025 共鳴の宴」が開催されました。このイベントは日本財団DIVERSITY IN THE ARTSが主催し、障害者と健常者の共生を目指す重要なステップとして位置づけられています。また、国際会議「SYNC25アカウンタビリティ・サミット」と連携し、250名以上のグローバル企業経営者も参加しました。

日本財団DIVERSITY IN THE ARTSは2016年に設立され、文化芸術の多様性を尊重するアプローチを採り、多彩なイベントを通じて違いを受け入れ楽しむ社会の実現を目指してきました。「True Colors Festival」では、障害者を含むすべての人々が互いの特徴を尊重し、生き生きとした未来を描くための活動を展開しています。

今回の「共鳴の宴」は、2024年エミー賞受賞作『将軍-SHOGUN-』の音楽監督である石田多朗氏が音楽監督を担当し、世界的演劇祭エジンバラで評価を受けた山田淳也氏が総合演出を務めるという豪華な内容です。演目のスタートは、障害者と健常者のダンサーが共演する「沈黙の中の音」。和太鼓のリズムに乗せて、音と光が見事に調和し、観客を引き込んでいきました。

その後は「ちがいとの出会い」というテーマのもと、日本の古楽器を用いた雅楽と西洋楽器とのコラボレーションが展開されました。日本と西洋の楽器が共鳴し、文化の相違を超えた新たな音楽の境地を体感させました。「ともに奏でる」では古典雅楽が披露され、「響きあう声と音なき言葉」では手話を使った狂言の一幕が上演され、手話と演技が融合し新たな視覚的体験を提供しました。

終盤は、ピアノと歌による「Over the Rainbow」や、「Moonlight」など定番の名曲が演奏され、車椅子ダンサーによるセリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」や、エンニオ・モリコーネのメドレーも登場。ムソルグスキーの「キエフの大門」、坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」など、多彩なプログラムが未来への希望を紡ぎます。最後には、音楽監督石田氏のオリジナル楽曲「常世」で締めくくられ、参加者全員の心に未来への明るいメッセージを残しました。

このイベントは、障害者と健常者が同じ空間で共に表現し、共に楽しむ姿を見せつつ、これからの社会における共生のあり方を示しました。障害者と健常者との垣根のない未来を築くための第一歩となるこの音楽イベントは、観客に深い感動を与えました。詳しくはこちらからご確認ください。