岡山理科大学附属高校の生徒たち
岡山理科大学附属高校の通信制課程に在籍する生徒たちが、自ら育て上げた幻の高級魚「タマカイ」を調理し、試食するイベントが開催されました。このプログラムは、彼らが「たんQサイエンス」という特別な教育活動の一環として取り組んでいるもので、実際に育てた魚を自らの手で調理し、味を確かめるという貴重な体験となりました。
タマカイとの出会い
この取り組みのきっかけは、昨年6月に行われた理大生物生産教育研究センターの見学です。山本俊政准教授がタマカイの飼育を勧めたことから始まりました。その後、生徒たちは月に一度、准教授やゼミ生から飼育方法についてレクチャーを受け、準備を進めてきました。およそ45センチ四方の水槽で、稚魚5匹を育て始めた生徒たち。
成長の過程
稚魚たちは、毎日の餌やりや水替えにしっかりと取り組んだ結果、わずか3カ月で体長約30センチ、重さ約500グラムに成長しました。これは育てる楽しみだけでなく、魚が成長するさまを観察することで、生徒たちにとって大きな学びとなり、コミュニケーションや協力の良い機会ともなりました。
調理と試食の実施
調理は、教育学部の調理室で行われました。家庭科の教諭である隅田雅美先生から魚のさばき方について指導を受けた生徒たちは、初めての体験にドキドキしながら作業を進めました。山本准教授も現場に駆けつけ、血の抜き方のアドバイスを行いました。初めてとはいえ、生徒たちは一生懸命に魚をさばき、刺身に仕上げる努力をしました。
大満足の味わい
新鮮なタマカイの切り身を手にした生徒たちは、一口食べるごとに期待を超える美味しさに驚き、満面の笑みで感想を述べました。「脂がのり、甘みがあって美味しい」「弾力があって、噛むほど旨味が口の中に広がる」との声が次々に上がります。参加した3年生の赤木優芽さんは、「育てることは大変でしたが、味わってみるとその苦労も報われたように感じます」と心の内を語りました。
今後の期待
生徒たちは、残りの2匹も今後さらに育て、大きくなったらまた皆で集まって楽しむ予定です。飼育と調理という体験を通して、彼らは料理の楽しさや食の大切さを学ぶことができ、貴重な一日となりました。このような取り組みが広がることで、今後の教育にも期待が寄せられています。