全国初の試み!佐賀市のお濠貯留実証試験
佐賀市が新たに取り組んだ「お濠貯留」の実証試験が、地域の水害対策の一環として行われました。この取り組みは、全国でも初めての試みであり、大雨時に周辺地域での浸水被害を軽減することを目的としています。特に、佐賀平野の地理的特性に基づき、お濠を活用した流域治水の重要性が増しています。
佐賀市の水害対策の背景
佐賀市は、广大な平野に位置し、干満差が6mに達するなど非常に低平な地形を持ちながら、水はけが悪いという難点を抱えています。これにより、降雨時には洪水の危険が増し、地域住民に大きな影響を及ぼす可能性があります。そこで、地域素材として知られる佐賀城を囲うお濠の活用が考案されました。
お濠貯留の実施内容
今年度から実施されたこの試験では、市の排水ポンプ車「ひので」の助けを借りて、事前にお濠の水位を下げ、最大約5万8,000トンの雨水を貯留することが可能な体制が整えられています。これにより、急激な降雨に対しても柔軟に対応し、周囲の浸水被害を抑えられる仕組みを構築しています。
具体的な実験は、令和7年6月6日に実施され、午前11時から午後4時まで排水が行われました。実施結果として、実際に水位が約7cm低下し、調整容量は約6,400トンに達しました。この量は25mプールを約21杯分に相当し、非常に有意義な結果といえるでしょう。
実証試験の影響
試験の実施当日、周辺の環境には異常は確認されず、お濠や下流の護岸にも問題が発生することはありませんでした。これは、地域との協力が重要であることを示し、地元住民にとっても安全な地域づくりに貢献する成果を上げています。この取り組みは、今後も各方面から注目され、全国への展開が期待されます。
SNSでの情報発信
佐賀市では、このお濠貯留に関する詳細やその後の地域の水害対策の進捗を公式SNSアカウントを通じて随時発信しています。特に、水害対策の情報をリアルタイムに発信することは、地域住民にとっても重要な支えとなります。
公式アカウントでは、実施された試験の様子を記録した映像や、活動に関する最新情報が提供されており、住民との繋がりを大切にした情報発信がなされています。これにより、地域の問題に対する理解と協力を広げ、すべての住民にとって安全な環境づくりを目指しています。
全国初の「お濠貯留」は、佐賀市の流域治水への取り組みのほんの一部に過ぎません。今後もこのような新しい試みが地域の水害問題に対して効果的に取り組むことで、より安心・安全な街づくりが進んでいくことが期待されます。