宮川彬良とアンサンブル・ベガの感動公演が宝塚で実現

2020年7月13日、宝塚市にあるベガ・ホールで特別な公演が開催されました。その名も「ベガ・ホール×宮川彬良とアンサンブル・ベガ」。この企画は、現在の社会情勢を踏まえ、音楽を通じて市民に元気を届けることを目指しました。

「宮川彬良とアンサンブル・ベガ」は、1998年に誕生しました。当初は阪神淡路大震災を受け、心の支えを提供するためのプロジェクトとして始動しました。設立者であるコントラバス奏者の新眞二氏の呼びかけで、ベガ・ホールを拠点にして活動しています。彼らの魅力は、クラシックとポピュラー音楽を巧みに組み合わせた選曲と、宮川氏のユーモアあふれるトークにあります。このパフォーマンスは全国で好評で、定期演奏会も数多く開催されています。

ベガ・ホールは1980年に開館し、音楽専用ホールとしては先駆的な存在です。本来、この年は40周年を迎えるはずでしたが、新型コロナウイルスの影響で多くの事業が中止となり、大きな打撃を受けました。それでも、ホールの職員とアンサンブル・ベガのメンバーは、市民へ音楽を届けたいという思いから、急遽公演の実施を決定しました。

公演は無料で招待される形で行われ、応募者多数の場合は抽選で選ばれました。安全対策として、参加者全員が抗体検査を受け、館内の手指消毒やマスク着用が徹底されました。また、収容人数も制限され、150名以下での開催となりました。すべての演奏前後には徹底した換気と消毒が実施され、観客が安心して楽しめる環境が整えられました。

特に注目すべきは、感染拡大防止を考慮し、当日足を運べない方に向けて映像配信が行われる予定だったことです。これにより、より多くの人々に音楽の喜びを届けたいという主催者の願いが感じられます。また、来場者からのインターネットを通じての寄付も募り、運営費を賄う工夫もなされました。

この公演は、音楽の力が困難な状況でも人々をつなぐことを証明しました。プロ・アマ問わず文化芸術活動が再開されることへの期待が込められ、再興への一歩として位置づけられています。公演のプログラムには、「すみれの花咲く部屋」が含まれており、参加者は胸躍る瞬間に立ち会えたことでしょう。

宝塚の地で行ったこの特別なイベントは、人々にとって忘れられない思い出となり、音楽を愛するすべての人たちに希望の光を照らしたに違いありません。この取り組みが、今後の文化芸術活動に奮起を促すきっかけとなることを願っています。