警察小説の新たな傑作、今野敏『探花隠蔽捜査9』
日本の警察小説界の重鎮、今野敏が手掛ける「隠蔽捜査」シリーズの最新刊『探花隠蔽捜査9』が2023年8月28日に発売されました。本作は、警察官僚・竜崎伸也を主人公とし、緊迫した捜査の現場を描いています。シリーズ初登場となる新キャラクター、八島圭介も物語に新たな波乱を呼び込みます。
殺人事件の発生と国際捜査の幕開け
物語は、神奈川県の横須賀基地付近で発生した殺人事件から始まります。竜崎伸也は神奈川県警の刑事部長として、この異常事態に直面します。さらに驚くべきことに、米海軍の要請により、特別捜査官リチャード・キジマが捜査チームに参加することに。アメリカとの日米合同捜査という未知の状況に、竜崎は果たしてどのように対応していくのか。全ての難題を一任された彼の姿勢が、物語の中心に据えられています。
八島圭介の登場とその影響
本作において、もう一つの見どころは新キャラクターの八島圭介です。彼は竜崎の東大法学部の同級生でありながら、その存在感は異様です。八島は前任地での黒い噂が影を落とし、周囲から「奴に気をつけろ」と忠告されるほど。竜崎の印象に残らないほどの彼の存在は、物語にどのような影響を及ぼすのか、興味が尽きません。
難解な状況に立ち向かう竜崎
異例の合同捜査が進む中、竜崎は頭脳と決断力を駆使して捜査を進めます。彼は殺人事件の真相に迫りながら、同時に家族にも深刻な問題が勃発。留学中の長男が逮捕されたとの報せが入るなど、彼の精神的な負担は増す一方です。竜崎はどのようにして家族との関係を築き、また捜査を遂行していくのでしょうか。
読みごたえあるエンターテインメント
「隠蔽捜査」シリーズは、単なる警察小説に留まらず、心理や人間関係の深さも描く奥行きのある作品です。著者の今野敏は、警察官僚としての知識と経験を基に、リアリティあふれるストーリーを展開しています。今回の『探花隠蔽捜査9』もその期待を裏切ることはありません。
読者へのメッセージ
本書の解説を担当した宇田川拓也氏は、ミステリ文学に精通した書店員であり、本作に対する熱い思いを語っています。彼の視点から、この作品が持つ魅力や、シリーズ全体の位置付けについてもぜひ注目してみてください。
書籍情報
- - タイトル: 探花隠蔽捜査9
- - 著者: 今野敏
- - 発売日: 2023年8月28日
- - 定価: 825円(税込)
今野敏の巧みな筆致で描かれる『探花隠蔽捜査9』。警察小説愛好者はもちろん、緊迫したドラマが好きな方にとっても、見逃せない作品です。ぜひ手に取って、竜崎伸也の奮闘を追体験してみてください。