オムロンフィールドエンジニアリングと松尾研究所の新たな挑戦
オムロンフィールドエンジニアリング株式会社(以下、OFE)と株式会社松尾研究所は、革新的なAI判定モデルを共同で開発しました。この新システムは、作業現場における点検写真をAIが自動的に判断し、保守業務の属人性を軽減することを目的としています。運用開始は2025年10月から予定されており、特に点検業務の効率化が期待されています。
システムの背景と目的
近年、労働人口の減少に伴い、保守・点検業務は効率化が必要とされています。OFEは、鉄道や金融など社会インフラの保守運用を数十年にわたって手掛けてきましたが、特に点検業務では従来、人手に依存していたため、業務負荷が大きいのが課題でした。そこで、OFEは松尾研究所との協力により、AI技術の導入を決断しました。
この共同プロジェクトでは、特に「設置機器の設定値照合」という高い属人性を持つ作業プロセスに焦点を当て、OFEが蓄積した現場ノウハウと松尾研究所の先端AI技術を組み合わせました。これにより、高品質を保ちながらも作業リソースの削減を図る新しい保守システムを目指します。
実運用における検証結果
OFEと松尾研究所は、約4ヶ月間、社内の現場で新システムの効果を検証しました。この中で確認された成果は以下の通りです:
- - AI判定回数: 8332件
- - AI精度: 89%
- - システムエラー率: 0.2%
これらのデータから、新システムが現実の業務に耐える精度と安定性を持ち合わせていることが証明されました。特に、点検業務においてはAIの適用効果が高く、優先的な導入が決まっています。
技術的な特徴
本システムの特筆すべき点は、高度なAI処理能力です。従来の画像認識技術を超え、写真内の文字情報を抽出し、正確な設定値かどうかを判断する能力を備えています。これは人の判断プロセスをAIで再現し、作業の透明性や安定性を向上させることに寄与します。
具体的には、次の技術が利用されています:
- - OCR(文字認識): 点検写真から設定値などの文字情報を抽出。
- - LLM(大規模言語モデル): 抽出した文字を基に、マニュアルと照合し正誤を判定。
- - Chain-of-Thought: AIの判断理由を段階的に提示し、結果の信頼性を高める仕組み。
今後の展望
OFEと松尾研究所は、AI技術へのさらなる投資と研究開発を継続する方針です。省リソースながら高品質なサービスを提供し、保守運用業界のDXを進め、安全で持続可能な社会インフラの構築に貢献することを目指しています。
企業情報
- - オムロンフィールドエンジニアリング株式会社: 高品質なサービスを提供し、持続可能な社会づくりに貢献する企業。詳細はこちら。
- - 株式会社松尾研究所: 東京大学がバックボーンの研究機関で、イノベーションの実現を目指しています。詳細はこちら。