グンゼグリーンが切り開く新たな環境価値の道
グンゼ株式会社の連結子会社、グンゼグリーン株式会社(本社:兵庫県尼崎市)は、持続可能な都市環境の実現を目指し、独自の算定技術によって緑化事業におけるCO₂削減貢献量を可視化する手法を新たに開発しました。この取り組みは、九州大学都市研究センターとの産学連携に基づく共同研究の成果であり、今後の環境価値の可視化・評価において大きな役割を果たすことが期待されています。
CO₂削減量の可視化
新たに開発された算定技術では、植栽された樹木が成長する過程におけるCO₂吸収量を定量的に評価します。この方法は、樹木の高さや直径の成長、生存率などを基に樹木一つあたりのCO₂吸収量を算出するものです。この結果、従来の森林管理に基づく評価方法とは異なる、より具体的で実用的なデータが得られました。この技術により、グンゼグリーンは緑化事業によるCO₂削減の寄与度を客観的に示すことができるようになりました。
環境価値を評価する仕組み
グンゼグリーンは、緑化事業におけるカーボンクレジット認証の取り組みを通じ、樹木の供給に携わる各関係者の役割を見極めた上で、その評価方法を構築しています。1年間に出荷した樹木は9つのカテゴリーに分類され、100年間で吸収する総CO₂量が算出されました。この取り組みは、一般社団法人ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアムから認証を受けた3年分のCO₂吸収量という形で具体化されました。
都市緑化事業の成果
過去5年間にわたるグンゼグリーンの緑化事業では、約2500万本の樹木が全国各地に供給され、この結果として累計2.3万t-CO₂の削減貢献を達成しています。今後は、この環境価値をさらに可視化し、グンゼグループ全体でのカーボンオフセットとしてアパレル商品「BODY WILD」に活用する予定です。
向かうべき持続可能な未来
この取り組みについて、グンゼグリーンの社長・池田智範氏は、「私たちの目指すのは、育成された樹木を通じて都市と自然をつなげる架け橋の役割です。都市緑化は私たちの使命であり、この技術を使って環境貢献を評価していくことで、持続可能な社会の実現に寄与したい」と述べています。さらに、グンゼグリーンは今後、他の関係機関と協力し、環境価値を社会全体で普及させることを目指しています。
未来に向けて
第14回環境配慮設計とインバースマニュファクチャリングに関する国際シンポジウムでの発表と論文出版が予定されているグンゼグリーンの新技術は、今後の環境価値の評価手法に革命をもたらすとも言われています。都市緑化による持続可能な未来に向けて、グンゼグリーンの取り組みから目が離せません。