ファッションECサイト利用者が語る購買行動の実態
近年のECサイトの発展に伴い、ファッションアイテムをオンラインで購入する人々が年々増加しています。多様な商品の中から、時間や場所に制約を受けずにショッピングができる利点は大きいものの、今回、株式会社シナブルが実施した「ファッションECサイト」の利用実態調査では、その実態が明らかになりました。
調査概要
この調査は2024年10月7日から8日にかけて行われ、対象はECサイトでファッションアイテムを購入した経験のある1,007人でした。調査方法はインターネットを通じたもので、ECサイトに対する重視点や、購入を躊躇する理由などが深堀りされました。
購入時の重視要素
調査によると、ファッションアイテム購入時の重要な要素として最も重視されているのは「価格」で、67.0%の人がこの要素を挙げました。続いて「サイズやカラーの豊富さ」が40.7%、「セールやクーポンがあるか」が38.4%、「商品の品質」が37.1%と続きます。このことから、消費者はコストパフォーマンスや選択の幅を特に求めていることがわかります。
カート放置の理由
興味深いのは、カートに商品を入れた後に購入をやめた理由です。最も多かった理由は「送料が高い」と感じることであり、これに35.8%が同意しました。次点では「カートに入れてから気が変わった」が31.1%、そして「クーポンや割引が利用できなかった」という声が28.5%を占めています。
約9割が商品選択に困った際に購入を見送る傾向があることからも、ECサイトはこの点において消費者の心理に敏感である必要があります。
パーソナライズド体験の重要性
パーソナライズドされた商品提案は、消費者の購買意欲に少なからず影響を与えることが示唆されました。調査では、パーソナライズドされた商品提案を受けたことがあると回答したのは35.4%に留まりました。しかし、「自分に合った商品提案によって実際に購入した」とする人は68.4%と約7割に達しており、こうしたサービスの充実が今後の購買意欲を高める可能性が高いことが分かります。
ECサイトを選ぶ理由
消費者がECサイトでファッションアイテムを今後も購入したい理由について尋ねたところ、価格が安いと感じる人が50.8%、時間や場所に制約を受けずに購入できると答える人が45.7%、多くのセールやクーポンがあるという回答も41.0%に達しました。これらのデータは、ECサイトが提供する利便性や経済性が購入意欲を強く刺激していることを示しています。
消費者のニーズに応じたサービスの強化
調査の中でわかったことは、ECサイトでファッションアイテムを購入する際に重要視される要素や、購入を躊躇する理由、さらにはパーソナライズド体験の影響など多岐にわたります。特に、誕生月のクーポンや会員向けセールの提供は、購入意欲を更に高める要因として非常に重要であることがわかりました。
このように、ECサイト運営者は消費者のニーズに応じたサービスを強化し、パーソナライズドな体験を提供することにより、リピーターの獲得や購買単価の向上が期待できるでしょう。今後もその動向から目が離せません。
まとめ
この調査を通じて、ファッションECサイトにおける消費者の行動と傾向が明らかになりました。価格や豊富な選択肢が求められる中で、消費者は情報が整頓された、使いやすいECサイトを選びたいと考えています。今後もこの業界の進展に期待が寄せられます。