プールでの熱中症対策に関する調査結果
一般財団法人 日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、公益財団法人B&G財団と協力のもと、国内の241のプール管理者を対象に実施した「プールにおける熱中症対策の実態調査」の結果を発表しました。この調査は、特に夏場のプールでの熱中症や体調不良を防ぐための実態を把握することを目的としています。
調査の概要
調査対象はB&G海洋センターの自治体管理者や指定管理者で、期間は2020年から2024年までの5年間に焦点を当てました。調査方法はインターネットを通じて行い、238人からの回答を得ました。結果は、
「熱中症ゼロへ」プロジェクトの公式サイトで公開されています。
調査結果の要点
体調不良の実態
調査によれば、約3割のプールで、過去5年間に利用者やスタッフから体調不良が報告されており、主な症状としては「めまいや顔のほてり」が約63.2%、次いで「体のだるさや吐き気、頭痛」が54.4%と多く見られました。熱中症が発生しやすい状況であるプールでは、周囲が水に囲まれているため、こうした症状に気づきにくいという特徴があります。
熱中症対策の必要性
また、施設管理者からは「利用者・監視員の両方をケアするための熱中症対策の呼びかけツール」の必要性が強く求められています。調査結果によると、約62.2%の管理者が利用者に向けた基本的な対策を伝えるためのツールを必要とし、約59.7%が監視員に対する予防指導の必要性を感じています。さらには、ハード面では「日陰を作るシェルターやテントなどの設備の充実」が約42%、空調の効いた休憩所や救護室の充実についても約55%の需要があります。
体調管理の重要性
利用者がプールで全身運動をする際には、汗をかくことによって脱水が進むため、水分補給や適度な塩分補給、涼しい場所での休憩が求められます。また、プールサイドで見学する人々にも日差しを避ける工夫が必要です。エアコンの無い更衣室では高温多湿になることもあるため、特に注意が必要です。
教育とサポート
この調査からは、約76%の施設が監視員や指導員からの水分補給や休憩の呼びかけを行っていることも明らかになりました。熱中症対策には、現場での教育や指導が重要であり、各施設での取り組みをサポートするツールが求められています。
最後に
「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、さまざまなシーンでの熱中症対策の実態を分析し、具体的な施策を提案することにより、熱中症の予防に向けた活動を強化していく予定です。今後も、利用者と監視員の安全を守る取り組みが求められます。
詳しくは、
こちらのリンクから熱中症について学べます。