NTT東日本と河合塾グループが開発する新教育モデルの全貌

NTT東日本と河合塾グループが目指す教育革新

2025年3月19日、NTT東日本と河合塾グループは、次世代を担うグローバルリーダーを育成するための連携協定を締結しました。この協定に基づき、リアルな体験とデジタル技術を組み合わせたハイブリッド型の探究学習プログラムが共同開発されます。このプログラムは、地域を学びのフィールドとし、中高生に探究的な学びの機会を提供する探究ツアーシリーズの一環として展開されます。

教育界の変革背景

教育界は近年、急速なグローバル化とテクノロジーの進化に直面しています。それに伴い、単に知識を習得するだけでなく、自ら課題を見つけて解決に導く能力が求められています。OECDの「Education 2030」やPISAでは、こうした能力の重要性が強調されており、日本においても新しい学習指導要領により探究学習が導入されています。この状況下で、NTT東日本と河合塾グループは、学校の枠を超えた教育モデルの確立を目指すべく協力を開始しました。

探究ツアーシリーズの概要

今回の探究ツアーシリーズは、地域社会の課題と中等教育の探究学習を結びつけたプログラムです。プログラムは、「事前学習」、「現地学習」、「事後学習」の三段階に分かれており、デジタル技術を活用して学習の可能性を広げます。現地学習では、地域の人々との交流を通じて地域の魅力や課題を深く考察する機会を提供し、中高生の主体性を養います。また、最新のデジタル技術にも触れることで、彼らのデジタルリテラシーの向上も図ります。

医療編の重要性

今回のプログラムは、特に地域医療に焦点を当てています。地域医療は健康を支える基盤でありながら、医療資源の偏在が進んでいるため、その持続性が大きな課題です。地域医療に関する理解は、子どもたちに地域の構造や医療インフラの重要性を考えるきっかけを与えるものです。この「医療編」では、地域の病院や診療所を訪問し、医療従事者との対話を通じて真正の社会課題に直面し、解決策を模索する力を育てることが目的です。

プログラムの詳細

このプログラムは2025年3月24日から27日までの3泊4日で行われ、事前学習はオンライン形式で進められます。具体的な活動内容としては、総合病院の見学や医療機器に触れる体験、医療教育機関との交流などがあり、参加者は実践的な学びを通じて将来のキャリアについて考える機会を得られます。また、地域医療の維持に尽力している北海道庁や札幌医科大学との協力も重要な要素です。

今後の展開

NTT東日本と河合塾グループの連携は、今後も継続されます。両社は、デジタルとリアルを組み合わせた探究学習プログラムの開発を推進し、新たな教育モデルを確立することを目指しています。また、プログラム参加者の成長を測定・分析する取り組みを進め、個々の成長を支援できる仕組みを整備する予定です。これにより、次世代を担う子どもたちが持つ潜在能力を引き出し、新たな時代に大きく貢献していくことを目指します。