吉村昭『雪の花』映画公開記念特集展示が開催中の文学館

吉村昭『雪の花』映画公開記念特集展示

吉村昭記念文学館では、歴史小説『雪の花』を原作とした映画『雪の花 -ともに在りて-』の公開を記念して、「雪の花 -ともに在りて- 展」を開催中です。この展示は、1月25日から3月16日までの期間中に行われ、多くの文化愛好者たちの注目を浴びています。

展示の内容

展示の中心となるのは、吉村昭の自筆原稿をはじめ、映画の監督である小泉堯史氏から寄贈された台本です。主演の松坂桃李さん、芳根京子さん、役所広司さんが撮影で実際に着用した衣装も一堂に展示され、訪れる人々の興味を引きます。また、撮影に使用された小道具や、さらに黒澤明監督の名作『赤ひげ』から本作にも使用された薬研も見所の一つです。

小説『雪の花』は、江戸時代末期の福井藩の町医者、笠原良策の物語です。疫病である疱瘡から人々を救うために私財を投げ打ち、種痘を普及させるために奮闘する姿が描かれています。本展では、笠原の強い信念と精神力に触れ、彼の生きざまを感じることができるでしょう。

特に、会場では以下の資料が展示されています:

- 自筆原稿「めっちゃ医者伝」
- 種痘に関する自筆メモ
- 村上豊挿画「雪の花」
- 映画「雪の花―ともに在りて―」の台本
- 劇場版パンフレット

入館料は無料で、訪問者は自由にこれらの貴重な資料を鑑賞できます。

トークイベントの開催

また、展示期間中の2月2日には、小泉堯史監督を招いたトークイベントも行われます。多くの応募があり、定員を超える人気を誇っています。荒川区からの熱心なオファーにより、実現したこのイベントには、文学愛好者の期待が高まっています。特集展示への関心をより一層高める良い機会となることでしょう。

文化交流の意義

さらに、吉村昭記念文学館と福井県ふるさと文学館は、平成29年11月に「おしどり文学館協定」を締結しました。この協定は、吉村氏と福井県出身の作家である津村節子氏にちなんで名付けられたもので、今回の展示では福井に関連する作品や撮影ロケ地も紹介されています。

最後に、展示館は毎日開館しており、水曜日には休館日がありますので、訪問予定の方は事前に確認すると良いでしょう。吉村昭の文学世界を感じつつ、彼の功績に思いを馳せる貴重な体験ができるこの機会を、ぜひお見逃しなく。