PHRを活用した多職種連携の実証成功
Arteryex株式会社と株式会社Wellmiraは、経済産業省の推進事業である「令和7年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業」に選ばれ、医療・日常生活データを一元管理するユースケースの実証を行いました。このプロジェクトは、介護施設で3週間に渡り実施され、PHR(Personal Health Record)を基盤とした多職種連携の有効性が確認されました。具体的には、「支えるノート for 介護」というプラットフォームを通じて、医療情報アプリ「パシャっとカルテ」とAI健康アプリ「カロママ プラス」のデータを統合しました。
実証の目的と方法
この実証は、介護施設での運用を想定し、医師や看護師、薬剤師、介護士といった多様な職種が参加したことで、実践的なデータ活用が行われました。実証期間は2026年1月13日から2月上旬までの約3週間。参加者は、医療・バイタルデータと食事・生活データを一元的に管理し、それらの情報を共有する過程を検証しました。
主要な成果
1.
早期介入判断の支援
PHRを通じて医療・生活データを一元管理することで、医師は利用者の状態を迅速に把握でき、早期の介入判断を行いやすくなりました。特に、体温や血圧の異常を知らせるアラート機能が重症化を未然に防ぐ役割を果たすことが確認されました。
2.
情報共有の円滑化
医師からは「他職種との情報共有が円滑に進むようになった」という評価が寄せられ、多職種間の連携が強化されました。この点は医療現場における指示伝達の効率化につながり、より良いケアの提供に寄与しています。
3.
診療報酬の加算への寄与
本プロジェクトの導入によりICT活用が促進され、介護報酬の加算算定に向けた可能性も見えてきました。今後、業務の自動化を進めることで、現場の負担を軽減しつつ、加算算定の実現を目指します。
今後の展望
この実証により得られた知見をもとに、ArteryexとWellmiraはさらに次のステップへと進む計画です。
「パシャっとカルテ」と「カロママ プラス」のさらなる連携を模索し、医療データと生活データの組み合わせによる新たな価値提供を目指します。具体例としては、健康診断結果と食生活データを組み合わせることで利用者の行動を変容させる支援や、服薬情報と栄養データを統合して重症化予防に繋げる方法などが考えられます。
業務フローに合わせた最適な通知条件の設計や、利用者の増加に応じたスケールアップを行い、長期的な効果を検証することが重要です。
ICTを活用した連携が社会保障費の削減に寄与することを示すためのエビデンスを蓄積し、今後の政策提言に繋げていくことも視野に入れています。
まとめ
ArteryexとWellmiraの連携によるPHR活用の実証は、医療現場に新たな可能性をもたらしています。今後も両社が協力し、医療と介護の質向上に向けた取り組みを進めていくことに期待が寄せられています。社会全体の健康増進に貢献するための重要なステップとなるでしょう。