GE HealthCareがアイルランド・コークに新製造施設を開設
GE HealthCareがアイルランドのコークに位置するキャリグトヒルにおいて、造影剤の充填および製造施設を拡張するために、1億3,200万ユーロ(約1億3,800万米ドル)の投資計画を発表しました。この新施設は、医療画像診断での需要の高まりに応えるため、2027年末までに年間2,500万回分の造影剤の生産を追加で行う予定です。新しい施設の建設に先立って、アイルランドのMicheál Martin首相が鍬入れを行い、プロジェクトの開始を祝いました。
造影剤はX線撮影やCT検査などで、臓器や血管、組織を可視化するための重要な役割を果たします。世界的には、高齢化や慢性疾患の増加に伴い、これらの造影剤の需要は今後10年間で倍増すると予測されています。特に、GE HealthCareが保有するキャリグトヒルの施設は、2024年には上海やオスロの生産拠点とともに、1億回以上の造影剤処方を行う見込みです。
新たに設けられる3,000㎡の施設には、溶液調製タンクや多機能粉体ハンドリングシステム、充填ライン、オートクレーブなどが装備され、最新の自動化システムにより生産プロセスが支援されます。これにより、GE HealthCareの製造ネットワーク全体の柔軟性と回復力が向上し、安定した供給が可能となります。
Micheál Martin首相は、鍬入れ式で「GE HealthCareはアイルランドで30年以上にわたり貢献してきました。今回の投資は、我が国の労働者に対する信頼の証でもあり、産業の高度なスキルを持つ人材の存在を示しています」と贈りました。
GE HealthCareの医薬品診断部門のCEOであるKevin O’Neill氏は、「業界のリーダーとして、私たちは拡大する造影剤の需要に応える責任がある。この新施設は、顧客に対する供給の安定性を高め、業界全体の強さを強化することを目的としている」と語った。また、GE HealthCare IrelandのマネージングディレクターであるEugene Barrett氏は、アイルランドの高度なスキルを持ったチームと密接に連携し、製薬業界へのアクセスを活かして世界中の患者に貢献する意義を強調しました。
アイルランド政府産業開発庁のMichael Lohan長官は、「この製造施設の拡張は、医薬品生産能力と雇用機会の新たな創出に大いに寄与するものであり、非常に歓迎すべきニュースです」と述べました。
新しい製造施設は、2025年2月に建設が開始され、250名以上の建設作業員が新たに雇用されることが期待されています。GE HealthCareの製造は、GMP基準に従って厳格に行われ、製品の品質と効率が保証されます。
この発表はGE HealthCareが、アイルランド市場への長期的なコミットメントを継続的に強化し、世界中の医療ニーズに応える姿勢を示す重要なものであると考えられます。