新展望拓く蒲田金属工業
2023-01-13 00:10:02

蒲田金属工業が小野製作所を取得し新たな展望を拓く

蒲田金属工業が小野製作所を完全取得



福島県の大玉村に本社を置く蒲田金属工業が、同じく福島県いわき市に所在する株式会社小野製作所の全株を取得し、事業承継を実施した。この動きは、特に中小企業が抱える後継者問題への対応策として注目されている。この新しい経営体制の背後には、両社の強みが融合することで新たなシナジーの創出が期待される。

蒲田金属工業の沿革と専門性



蒲田金属工業は、創業53年を誇るアルミ鋳造業者で、様々な部品製造に特化している。金型鋳造法や砂型鋳造法を駆使し、空調機器や航空機の部品まで多岐にわたる製品を手がけている。特に少量多品種のニーズに応じた砂型鋳造と、多量生産が可能な金型鋳造の両方に長けている。そのため、試作から量産まで一貫したサービスを提供できることから、多くの取引先と信頼関係を築いてきた。

しかし、後工程である切削加工が自社内でできないことから、顧客の多様なニーズには十分に応えられていなかったのが実情である。

小野製作所の経営と事業承継



一方、株式会社小野製作所もまた、後継者不在が経営の課題となっていた。同社は、機械精密部品や自動車部品の試作を得意とし、長年の取引先との絆を基に安定した経営を維持しているが、人口減少や業界の変化に伴う後継者問題に直面していた。そこで、事業の相乗効果を見込む蒲田金属工業との提携が模索された。

事業承継の経緯とシナジー



蒲田金属工業の代表である青山康明氏は、福島県事業承継・引継ぎ支援センターを通じて、小野製作所の情報を得た。複数回の面談や工場見学を経て、両社の強みが組み合わさることに確信を持つようになった。これにより、鋳物から切削までの一貫生産体制が実現し、新たな顧客価値が創出される見込みだ。

地域経済への影響と今後のビジョン



この新しい体制は、地域経済に対しても大きな影響を与えると考えられている。蒲田金属工業と小野製作所は、今後さらなる技術の融合を進め、モノづくりの支援を強化することで、地域の雇用創出にも繋げていく意向だ。また、経営者の青山氏は、独自の事業承継の知識と経験を生かして、同じような苦境に立たされている他の企業へのアドバイスも行っていくという。

このように、蒲田金属工業が小野製作所を取得したことは、単なる事業承継に留まらず、地域経済の発展や次世代のモノづくりの形を創り出す重要なステップとなることが期待されている。

会社情報

会社名
蒲田金属工業株式会社
住所
福島県安達郡大玉村大山字木下51-5
電話番号
0243-48-2566

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