山根晋写真展「杳々たり」が鎌倉で開催、アートを旅する体験を提供

山根晋写真展「杳々たり」開催のお知らせ

2024年9月5日から9月17日まで、鎌倉のギャラリーQuadrivium Ostiumにて、山根晋の写真展「杳々たり」が開催されます。この展覧会は、山根晋が写真と映像を用いて探求してきた「時/空のアナザーリアリティ」に焦点を当て、彼の芸術的活動の集大成となるものです。特に、今回の展示では、海の波打ち際を捉えた新作シリーズ《臨海》が初めて公開されます。

「杳々たり」のコンセプト

展示のタイトル「杳々たり」は、空海に由来する言葉で、遥かであったり、暗くてよく分からなかったりする様子を指します。山根氏はこの言葉に独特の質感を感じ取り、作品のテーマに選びました。その中で捉えられるものは、海の波打ち際で感じる神聖な現象と、その神秘を写真機という道具を用いて表現しようとした彼の試みです。

この展覧会では、ライフワークである《臨海》のほか、古美術への憧れを映した《Past Figure》シリーズも披露されます。《Past Figure》では、古美術の影を捉えることで、時間の厚みや歴史への憧憬が表現されています。

特別イベント

また、展覧会期間中の9月7日には、詩人の青木萌氏を招いたトークショーとレセプションパーティーが行われます。このイベントは事前申し込み制となっており、お二人の芸術観や現代社会におけるアートについて深く掘り下げる貴重な機会となります。トークショー後に行われるレセプションパーティーでは、作家との歓談や作品鑑賞が楽しめます。

山根晋の背景

山根晋は1985年に兵庫県で生まれ、直感的な感受性を大切にしながら作品を制作してきました。大学卒業後、出版業界での経験を経て、大工や林業を経てから独学で映像制作を始めました。彼の作品は多岐にわたり、特に近年では、陶芸家・黒田泰蔵氏の作品を撮影した写真集『A day in February with light』が話題となりました。