床空調システム研究
2025-03-06 11:23:50

野村不動産と慶應義塾大学、健康促進の床空調システム研究を発表

野村不動産と慶應義塾大学の共同研究



近年、住環境は私たちの健康に深い影響を与えることが注目されています。また、空気調整システムの進化も相まって、より快適で健康的な住環境を求める声が高まっています。そんな中、野村不動産株式会社と慶應義塾大学の共同研究が注目を集めています。本研究は、特に床全体を冷暖房する「床快full空調」を採用した物件に住む人々を対象に、転居による影響を調査した結果を報告しています。

研究の背景



この共同研究は、2022年の夏から始まりました。床快full空調は、住戸全体を均一に温度調整することができる空調技術で、これまでその健康面への影響についての調査は少なかったため、じっくりとした研究が必要とされていました。具体的には、健康に関するバイタルデータを測定することで、その影響を検証することが目指されました。これには、居住者からの協力を得るための調査も含まれており、成功裏に実施されました。

健康効果の調査結果



夏季の結果



調査は、転居前の2022年7月から8月と、転居後の2023年7月から8月の間で行われました。その結果、転居後には室温が約3.6℃上昇したにもかかわらず、床快full空調の効果により多くの部屋で快適な温度が保たれていました。特に、居住者の感想では「体のだるさ」「疲れ」「イライラ」といった健康面での改善が見られました。

さらに、寝室環境の調査では、相対湿度が9.6%も低下したことが確認されました。これにより、寝苦しさが軽減され、睡眠効率も2.4%の改善が見られたと報告されています。

冬季の結果



一方、冬の調査では、転居前後の室温を比較した結果、特に居間の温度差が大きく改善されたことが明らかとなりました。これは、部屋ごとの温度差が生まれにくくなる床快full空調の効果です。また、「手足が冷える」と感じる割合の低下も見られました。参加者の血圧に関するデータでは、高血圧の人々において血圧が約3.9 mmHg低下するなど、医学的にも有意義な結果が得られたことが記されています。

研究者と今後の展望



本研究は、慶應義塾大学の伊香賀俊治名誉教授と川久保俊准教授が主導しており、それぞれ建築環境やサステナビリティに精通した専門家です。今後も野村不動産と慶應義塾大学は、住宅と健康の関係についてのさらなる研究を続け、快適で健康的な住環境の整備に貢献していく意向です。このような取り組みは、今後の建築業界や住環境の改善に寄与することでしょう。

まとめ



野村不動産と慶應義塾大学による床快full空調に関する研究は、単なる住宅の快適性向上に留まらず、健康面でも非常に重要な成果を挙げています。今後もこのような研究が進むことで、多くの人々がより健康的に、快適に暮らせる社会が実現されることに期待が寄せられます。この取り組みは、住まいに対する考え方を変える重要な一歩となるでしょう。


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会社情報

会社名
野村不動産ホールディングス株式会社
住所
東京都新宿区西新宿新宿1丁目26番2号
電話番号
03-3348-8878

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