再生医療のリーディングカンパニー、ロカスセルが新たな展開を図る
ロカス株式会社(Locus Cell)は、台湾に拠点を置く再生医療のCDMO(Contract Development Manufacturing Organization)リーディング企業として、日本市場への進出を加速しています。最近、日本市場での現地サービス向上のため、広報や展示運営を手掛ける株式会社トモトモとの提携を強化し、ブランド認知度とネットワーク構築に力を入れています。
日本市場における活動の強化
同社は、アジア最大級の国際バイオイベント「BIO JAPAN 2025」に2年連続で出展し、その存在感を示しました。これにより、日本におけるバイオ産業の重要なプレイヤーとしての地位を確立しつつ、さらなる業務展開を計画しています。特に、現在建設中の竹北新工場が2026年に完成予定であり、これは国際市場への重要な進出拠点となると考えられています。
新たなパートナーシップの展開
ロカスは、オーストラリアの上場企業Cambium Bioとの業務提携に関する覚書(MOU)も締結しました。新工場がFDA査察およびGMP認証を取得次第、Cambium社が開発中のドライアイ治療薬「Elate Ocular」の製造を受託する予定です。このプロジェクトは、ロカスにとって国際的な第Ⅲ相臨床試験薬の製造を受託する初の試みであり、グローバルCDMO市場への本格的な参入を意味しています。
日本国内での連携強化
ロカスの会長邱俊榮氏は、「今回の出展は2年連続であり、日本子会社の設立は現地パートナーとの連携を強化する上で重要な一歩」と語ります。日本はiPSC細胞技術や臨床応用で世界をリードしており、その市場は制度面でも非常に整備されています。
台湾の法規改正と国際的なビジネスチャンス
さらに、台湾で来年施行予定の再生医療法が、日本を含む主要先進国で第Ⅱ相臨床試験を通過した製品が台湾市場に進出できる道を開き、大きなビジネスチャンスを提供することが期待されています。
台湾ナイトでの文化交流
ロカスは日台企業間の交流を促進するため、台湾の国慶日前夜に横浜中華街の台湾料理店「富筵」を貸し切って「台湾ナイト」を開催します。このイベントには、日立製作所や三菱UFJフィナンシャル・グループなど約10社の日本企業が参加予定で、台湾バイオ産業への理解を深める機会となります。台湾ウイスキーや郷土料理、パイナップルケーキなどが振る舞われ、参加者は台湾の文化と味覚を存分に楽しむことができるでしょう。
結論
ロカスセルは日本市場への出展を通じて、再生医療分野の実力を示しつつ、日台のビジネス交流を深める重要な役割を果たしています。今後のさらなる展開に期待が寄せられています。