ワーキングホリデー人気の変化とその背景
近年、ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)を希望する若者が変化する渡航先の動きに注目です。
日本からの渡航希望先として、これまで長年にわたり人気を誇っていた英語圏や欧州の「定番国」ですが、最近の円安や物価上昇が影響を及ぼし、アジア圏への関心が高まりつつあります。実際、韓国や台湾などのアジア圏が、若者たちの注目を集める新たな選択肢として浮上しています。これは、単なるトレンドの変化に留まらず、経済的な要因が大きいと言えるでしょう。
円安の影響
円が主要通貨に対して弱含みとなる中で、特に英語圏での生活費が高騰しています。これは、物価の上昇に拍車をかけ、若者たちにとっての経済的な負担を増しているのです。英語圏に長く滞在することのコストが相対的に高くなり、渡航を躊躇する若者も少なくありません。
新たな選択肢アジア圏
韓国や台湾などアジア圏に対する関心が高まる理由の一つは、よりリーズナブルな移動コストです。航空運賃が安定しており、また気候や文化の理解もしやすいため、初めての海外渡航としても選ばれることが増えてきました。これにより、若者は費用を抑えながらも多様な文化や言語に触れる機会を得ることができます。
例えば、英語だけでなく韓国語や中国語の習得についてのニーズも増加しているのです。K-POPや華流の文化が世界的に人気を博しているのも、こうした意識の変化に拍車をかけています。これにより、アジア圏の言語や文化の多様性を学びたいという希望が多くの若者に広まっています。
安心感と文化の魅力
また、日本から近いアジア圏には、日本人コミュニティが存在しており、初めての渡航でも安心感を覚えるという面もあります。現地の日本語対応のサービスやサポートがあり、言語の壁を心配することなく生活を始められる点も大きな魅力です。
今後の展望
今後、為替の安定や円高に転じることがあれば、再び英語圏や欧州の人気渡航先が復活する可能性もあります。しかし、アジア圏でのワーホリ制度や生活支援が充実すれば、更にアジア圏人気が高まると予測されます。この傾向に応じて、語学教育機関や旅行業界も新たな商品開発が求められるでしょう。
当協会の取り組み
一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会は、こうした変化に対応し、次のような施策を進めています。
- - アジア圏のワーホリ制度やビザ情報の充実。
- - フィリピンなど、ワーホリ協定国以外の国へのサポート強化。
- - 為替リスクを考慮した渡航費用シミュレーションツールの提供。
- - 初めての渡航者でも安心できる予算設計・生活相談の強化。
- - 実体験を共有することでリアルな情報の発信。
ワーキングホリデー制度について
ワーキングホリデー制度は、国や地域間の取り決めに基づき、自国の文化を理解するための機会を青少年に提供する特別なビザです。言語学校への通学や旅行、就労など、幅広い選択肢があることが特徴です。
ワーホリ45周年キャンペーン
日本がオーストラリアとワーキングホリデー協定を結び、1980年12月に初のワーホリビザが発給されてから、今年で45周年を迎えます。この記念の年に、より多くの人々にワーホリを活用してもらうため、「すべてのワーホリを最高の体験に」をテーマにさまざまな活動を展開していく予定です。