■ イベント概要
2025年12月10日に、法令で初めて"無人航空機"が定義されてからちょうど10年を迎えるのを機に、九電ドローンサービス株式会社(QDS)と株式会社Liberaware(リベラウェア)が共催したイベント「Next Flight 2035 ─ ドローンが創る新たなインフラ社会」がCIC福岡で開催されました。このイベントでは、九州電力とリベラウェアがドローン技術を活用した社会インフラのデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目指し、資本業務提携の合意を発表しました。
■ 目指す未来
近年、日本のインフラの老朽化が深刻な問題となっている中、ドローン技術が解決策として期待されています。九電ドローンサービスとリベラウェアは、九州エリアを中心に、データを活用した新たな社会インフラの構築を目指します。
イベントの中で、QDSの本田社長は、主な3つの挑戦として下水道点検、屋外自動巡回・点検、ドローンのAIサービスについて紹介しました。特に、下水道点検では自治体との共同提案を進めるとし、従来の目視点検では難しい場所の詳細な映像取得を実現しています。
■ 他社との連携
リベラウェアの閔社長は、自社がこれまでに手掛けてきた様々なドローンソリューション、例えば福島第一原発の内部調査や埼玉県の道路陥没事故における下水管調査などを紹介しました。今後は、収集した可視データをもとに、街づくりへと発展させる意向を示しました。
■ トークセッションの開催
イベントの後半では、株式会社インプレス「ドローンジャーナル」編集長の河野氏によるモデレーターのもと、両社の社長によるトークセッションが行われました。
QAセッション抜粋
Q: 日本におけるドローンの必要性は?
本田氏は、労働人口減少や自然災害への対処が課題であるとし、新しい点検ニーズの増加が期待されると述べました。
Q: IBIS2の優れた点は?
本田氏は、安全性と国産のための迅速な修理対応を強調し、操縦スキルが必要な場面でも安定した操作ができる点を注目しました。
Q: 課題は何か?
狭い空間での点検や自動巡回が必要なため、さらなる技術革新への期待が寄せられました。
Q: 今後のドローンの展望は?
本田氏は、人が介さずドローンが自己点検できる未来を語り、閔氏は、広がる社会実装について言及しました。
■ デモフライトの実施
トークセッションの後、リベラウェアによる狭小空間点検ドローン「IBIS2」のデモフライトが行われ、観客の注目を集めました。
■ 資本業務提携
九州電力とリベラウェアの資本業務提携は、社会インフラ維持のためのDX化を加速させることを目的としたもので、両者の技術を融合させた新ソリューションの開発が期待されています。
今後は、九州地域を中心に、電力インフラ設備点検や、持続可能なインフラ維持管理のモデル構築に取り組みます。今回の取り組みを通じて、九州から全国、さらには海外への発信を目指します。
本イベントは、人々に安全で持続可能な社会を提供するための重要な第一歩となりました。今後も両社の活動に注目です。