住友林業が推進する建材流通業界のDX
住友林業株式会社が、建材流通業者向けの見積作成ソフト「JUCORE 見積」に新たな機能を追加し、8月21日より提供を開始しました。この新機能はプレカット部材の見積作成を効率化するもので、同社はこれにより業界が抱える人手不足の解消を目指しています。
新機能の背景と特長
住宅業界では、デジタル化が急務とされています。建材流通業者は、見積や資材発注、現場管理など多くの業務を担っていますが、見積作成は特に煩雑で手間がかかります。この問題を解決するため、JUCORE 見積ではプレカット部材に特化した新機能を導入しています。プレカット部材は加工内容や用途が多様で、従来は数百行に及ぶデータの見積書を作成するために時間がかかっていました。しかし、新しい機能を利用することで、材種ごとの金額算出が容易になり、業務効率が大幅に向上します。
さらに、見積書の帳票形式も選べるようになり、取引先に応じた柔軟な対応が可能です。特に、サッシ用や木材用の見積書に対応している点は、業者にとって大きな利点となるでしょう。このように、JUCORE 見積は業界特化型のクラウドサービスとして、見積業務のデジタル化を進めています。
業務の省力化とデータの可視化
このソフトは物件情報や受注見込、予算実績管理などを一元管理することができ、業務の省力化を実現します。業務が属人化せず、データが可視化されることにより、経営判断のスピードも向上します。また、他の見積システムで作成したデータを移管できるため、情報の一元管理が可能です。これにより、過去のデータを分析しながら今後の販売予測を立てることができます。
デジタル化の重要性
マニュアルな手続きが多い業界である建材流通業では、電子データの活用が生産性の向上に大きく寄与します。従来の書類送付がFAXなどアナログ手段に依存している現状では、デジタル化による業務の効率化が急務です。JUCORE 見積の導入により、業務が見える化され、効率化を図れるだけでなく、人手不足の解消にもつながります。
住友林業グループは、森から木材の製造、流通までの複線的なビジネスモデルを展開しており、「木」をテーマにした持続可能な社会の実現を目指しています。その中で、建材業界のデジタル化は次なるステージへのステップであり、業界全体の生産性向上にも寄与することが期待されています。
住友林業は2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を掲げ、木材を利用した脱炭素社会の実現を目指しています。このように、建材流通業のデジタル化を進めることで、持続可能な社会づくりに大きく貢献することを目的としています。