サイバートラストと弁護士ドットコムが量子耐性暗号技術の検証を開始

サイバートラストと弁護士ドットコムによる暗号技術の検証

サイバートラスト株式会社（所在地：東京都港区）と弁護士ドットコム株式会社（同じく東京都港区）は、量子コンピュータ耐性暗号技術の検証に着手しました。この技術は、今後の量子コンピュータの進展に伴う現行の暗号技術の脆弱性に対応するもので、特に電子契約の分野において、その重要性が増しています。

新しい暗号技術への挑戦

量子コンピュータの発展により、従来の暗号技術が将来的に解読されるリスクが指摘されています。このような中、サイバートラストは、弁護士ドットコムが提供する電子契約サービス「クラウドサイン」との連携を通じて、耐量子計算機暗号（PQC）の技術検証を進めることになりました。この検証により、電子契約システムにおける安全性の向上が期待されます。

弁護士ドットコムはクラウドサインを通じて、日本のデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進しており、サイバートラストも、本取り組みで電子証明書の発行に関する技術を持ち寄ることで、暗号技術の進化に寄与しています。すでに、PQCのデジタル署名による概念実証も行い、実用化に向けた態勢を整えています。

技術検証の意義

この共同取り組みは、両社の強みを活かしたものです。サイバートラストは、デジタル認証における成熟した技術を持ち、弁護士ドットコムは電子契約という分野での市場リーダーシップを誇ります。両社が共同でPQC対応の暗号技術を検証することにより、顧客データのセキュリティを長期的に維持するための信頼性を高めることを目指します。

量子コンピュータ時代のセキュリティ

米国のNIST（国立標準技術研究所）も、PQCの標準化を進めており、サイバートラストはその動向に対応し、選定された3つの暗号方式に関する検証を行っています。これにより、今後の量子コンピュータ時代に備えた電子契約の安全性向上が促進されるとともに、業界全体のセキュリティが強化されることが期待されています。

クラウドサインの最新機能

クラウドサインは、契約の締結から管理、さらにAIを活用した契約書レビュー機能を提供しており、デジタル上での契約業務を円滑に進めることができます。また、2023年にはマイナンバーカード署名機能も追加され、より安全な契約締結が実現されています。

クラウドサインは多くの企業や自治体で採用されており、その市場占有率は非常に高くなっています。これにより、日々進化する顧客ニーズに対応しやすい環境を整えているのです。

未来に向けた取り組み

サイバートラストと弁護士ドットコムの共同プロジェクトは、電子契約市場における信頼性の向上を図るだけでなく、量子コンピュータによっても解読されない安全な暗号技術の実現を目指しています。このような取り組みを通じて、顧客の安心・安全な契約環境を確保し、業界全体の進化にも寄与していくことでしょう。

両社は、今後もPQCへの対応を進め、さらなる技術革新に貢献していく意向を示しています。今後の進展に目が離せません。