やなせたかしとサンリオの出会い
1960年、チャーミングなキャラクターたちを通じて「みんななかよく」という理念を広めるためにサンリオが設立されました。その創業者である辻󠄀信太郎氏と、後に『アンパンマン』の生みの親となるやなせたかし氏の運命的な出会いが、詩の世界への扉を開きました。やなせ氏との出会いをきっかけに、サンリオは出版事業をスタートさせ、1966年に初めて世に送り出した本が『詩集愛する歌』なのです。この詩集は、やなせ氏の詩集としても初めて市場に登場した作品で、企業と作家のコラボレーションが実現した瞬間でもありました。
誕生の経緯と背景
「詩集愛する歌」は、やなせ氏が多くの子どもたちに愛される存在になる前の初期の代表作であり、その後の作品活動へとつながる重要な一歩です。最初の刊行から続編も登場し、幻想的なテーマと人生哲学が交差する全46篇は、詩としては異例の10万部という大ヒットを記録しました。
また、やなせ氏の言葉を借りれば、「ぼくは『詩とメルヘン』を編集するためにこの世に生まれた」との思いが強く、1973年から30年間にわたり刊行された文芸誌は、彼の心の中にあった詩の世界を綴るものでした。
2025年には、やなせ氏の妻が主人公のモデルとなった連続テレビ小説「あんぱん」が放送される中で、再び『詩集愛する歌』が注目を集め、復刻の声が上がることとなりました。これを受けて、サンリオは新たに復刻版の出版を決定したのです。
復刻に寄せる思い
今回の復刻にあたり、辻󠄀信太郎氏は「無名だった私たちが手探りで出版したこの詩集が60年ぶりに復刻されるなんて、人生って本当に面白いですね」と感慨深いコメントを述べています。やなせ氏への思いを胸に、彼のユーモアと感性に触れてほしいと呼びかけています。
書籍の魅力
『詩集愛する歌』には、あたたかで親しみやすい詩が多く含まれており、「てのひらを太陽に」から始まる心温まる作品は、子供だけでなく大人の読者にも響く内容となっています。詩の中で感じられるメルヘンチックな雰囲気や、人間の深い感情を探求するテーマは、多くの人々に共感を呼び起こすことでしょう。
この詩集は、サンリオオンラインショップをはじめ、さまざまな場所で販売される予定です。来る2026年4月、皆さんもぜひ手に取ってみてください。心温まる詩の世界に浸り、笑ったり泣いたりできる素敵な体験が待っています。