新潟・見附市が教育現場にAI通訳機「ポケトーク」を導入

新潟県の見附市教育委員会が、話題のAI通訳機「ポケトーク」とその教師向けサービス「Sentio-ポケトークforスクール」を導入したというニュースが伝わっています。この革新的な取り組みは、多文化共生を目指す教育現場において、大きな意義を持っています。

「Sentio-ポケトークforスクール」は、主に教育機関向けに開発されたサービスで、特別な端末を必要とせず、ブラウザを通じて利用できます。教師がマイクに向かって話すことで、全75言語に対応した通訳・翻訳が、児童や生徒のパソコンやタブレット上にリアルタイムで表示される仕組みです。この機能により、日本語を母語としない児童や生徒が授業内容を理解しやすくなることが期待されています。

文部科学省の最新データに基づけば、2023年度には日本語指導を必要とする児童・生徒の数が69,123人に達し、2021年度調査から18.6%の増加が見られています。特に外国籍の児童・生徒は21.2%も増加しており、在留外国人数の増加が直接的な要因と考えられています。そんな中、見附市教育委員会は、この「Sentio-ポケトークforスクール」を新潟県内で初めて導入し、日本語を母語としない児童・生徒への支援を強化することにしました。

ポケトーク株式会社は、「言葉の壁をなくす」をミッションに掲げ、AI同時通訳サービスや通訳機の提供を通じて、国際的なコミュニケーションの促進を目指しています。「Sentio」は、音声を最大39言語から75言語へリアルタイムで翻訳できますので、教育現場だけでなく、ビジネスや旅行でもその利便性が期待されています。

さらに、「ポケトーク S2」は最新機種として、91言語の即時翻訳が可能で、モバイル通信機能も備えています。これにより、Wi-Fi環境が整っていない地域でも利用可能であり、さらに利便性が向上しています。

このように、新潟県見附市における教育現場の変革は、言葉の壁を越えて多文化共生社会を実現するための重要なステップといえます。「Sentio-ポケトークforスクール」と「ポケトーク」を活用することで、児童や生徒たちがより良い学びの環境を享受できることが期待されます。今後、このモデルが他の地域にも広がり、多言語化が進む日本の教育現場が形成されることを心より願っています。

この取り組みは、将来的に多くの地域にモデルケースとして広がる可能性があります。ポケトークの導入は、単なる技術革新ではなく、地域社会に根付いた教育制度の進化を意味します。子どもたちが多様な言語の中で育ち、世界とつながる力を養うための第一歩、見附市の挑戦を今後も注視していきたいと思います。