SLC第4回SSBJ分科会が開催されました
2025年10月15日、サステナビリティを推進するリーダーたちが一堂に会する「Sustainability Leadership Community(通称:SLC)」が、日本最大級のコミュニティとして第4回目のSSBJ分科会を開催しました。コンセプトは「サステナをともに」、参加企業のサステナビリティ活動の理解と促進を図ることが目的です。この分科会は、業種を超えたリーダーたちが集まり、サステナビリティに関する知見や実務課題を共有する場として機能しています。
SLCとは
SLCは、サステナビリティに関心を持つ企業や個人、専門家を対象とした無料の登録制コミュニティであり、Booost株式会社が運営しています。2025年9月時点で795名の会員が514社から参加しており、毎月開催されるリアルイベントでは基調講演やパネルディスカッションを通じて、参加者同士のネットワーキングが行われます。こうしたイベントでは、最新のサステナビリティに関する事例や情報を交換することで、企業のサステナビリティ経営を加速させることが目指されています。
今回は、SSBJ基準への実務対応をテーマにした勉強会であり、特に「財務的影響の定量化」についての意見交換が行われました。参加者は主にプライム上場企業のサステナビリティ、IR、経営企画部門の担当者で、合計7回の分科会を通じて、さまざまな課題やその解決策について議論がなされます。
第4回の内容
第4回目の分科会では、業界別にグループディスカッションが初めて実施され、業種ごとの特性が考慮された活発な意見交換が見られました。議論の中では、次のような実務的な論点が取り上げられました。
- - 多くの企業はTCFDに基づいて財務情報を開示しているが、企業ごとの進捗にばらつきがある。
- - 炭素税や原材料コストの変動は比較的算出可能である一方で、人権や自然資本の数値化は難しく、試算に関する社内合意を得ることが困難である。
- - 外部シナリオを用いた財務シミュレーションや代替素材による新規事業機会の影響についても検討されている。
参加者からは、「他社の考えを聞いて新たな知見を得られた」「自社と他社の議論が新たな視点をもたらした」との声が寄せられ、満足度調査では高評価を得ました。
今後の展望
SLCは、今後も企業の実務課題解決に焦点を当てた議論の場を提供し、サステナビリティ担当者の支援を続けることを明言しています。また、2024年11月には「日本をSX先進国へ」というプロジェクトを立ち上げ、現場の実務担当者と経営層の間での対話を促進します。このプロジェクトの一環として、分科会は実務担当者に特化した情報共有の場となる予定です。
最後に、SLCは利用を希望する方のための入会フォームを提供しており、サステナビリティ領域における新たな知見やネットワークの構築を目指す人々にとって、大きな機会となることでしょう。
参加情報
SLCの取り組みを通じて、日本企業がサステナビリティに対する新しい価値観を形成し、持続可能な社会の実現に寄与することを期待しています。