富士通とExaScalerが業務提携、液浸冷却技術の共同開発へ
富士通とExaScalerの新たな提携進展
2023年、富士通コーポレートファンドは、ITサービス分野での主要企業である富士通と、液浸冷却技術を独自に開発してきた株式会社ExaScalerとの間で資本提携を発表しました。この提携によって、両社は共同開発やビジネス展開に関する協議を行い、さらなる技術革新を目指します。
ExaScalerの技術と展望
現在、ExaScalerは「ExaScaler-1.5」という製品を開発中です。この新しいシステムは、完全な液浸冷却に最適化されており、パフォーマンスと容量を4倍に向上させます。これにより、高性能計算(HPC)だけでなく、クラウドコンピューティングやグリーンデータセンターといった新たな分野へも技術の応用が可能になります。また、富士通との提携を通じて市場のニーズに応じた商品開発が期待されています。
ExaScalerは、2014年に設立され、その独自の液浸冷却システムに関する特許を多数取得しています。初の製品である液浸冷却スーパーコンピュータ「ExaScaler-1」は、高エネルギー加速器研究機構に導入され、全国および国際的にも高評価を得ています。これにより、ExaScalerは液浸冷却技術のリーダーとしての地位を確立してきました。
資本提携の意義
富士通の出資を受けて、ExaScalerは経営基盤をさらに強化し、液浸冷却技術の持続的な進化を支える基盤を構築していく方針です。富士通は、世界的に展開するIT製品とソリューションを持ち、ExaScalerが開発する液浸冷却技術の応用が見込まれる事業領域を多数抱えています。協業によって両社の技術を融合させることで、より強力な製品群の創出が期待されています。
ExaScalerの創業者である齊藤元章氏は、今回の資本提携について「富士通様の協力を得て、共同開発や事業展開について意見を交わしていけることを大変嬉しく思います」とコメントしています。これにより、データセンターやクラウドの効率化を目指し、今後の市場ニーズに合わせた革新的な製品が生まれることが期待されます。
今後の展望
今後、ExaScalerは富士通との協業を進めながら、液浸冷却技術のさらなる向上とその応用を進めていく予定です。従来のHPC分野に限らず、クラウドコンピューティング、グリーンデータセンターといった新しいビジネスチャンスへの展開にも注力し、持続可能なIT環境の構築を目指していきます。
これにより、両社は国内外での競争力を一層高め、テクノロジーを駆使した新しい時代のITサービスを提供することに期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
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株式会社ExaScaler
- 住所
- 東京都千代田区神田小川町2丁目1番地木村ビル3階
- 電話番号
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03-5577-3835