空間精度研究所が提供する新しい精度補正サービス
近年、工作機械の精度向上が求められる中、空間精度研究所が5軸マシニングセンタ向けに新たな空間精度測定・補正サービスをリリースしました。これにより、旋回軸に起因する誤差を考慮することで、精度の向上が期待されています。具体的には、直行軸だけでは解消が難しかった旋回軸の沈み込みや角度の誤差を新たに補正可能となったのです。
旋回軸起因の誤差とは
従来、旋回軸に関連する誤差は、直交軸の補正だけでは対応できないケースが多くありました。そのため、5軸加工機では特に誤差の影響が大きく、精度に課題が残っていました。新しい補正サービスによって、旋回軸起因の誤差を考慮し、精度を約10μmまで向上させることが可能になったのです。
例えば、”ゆりかご型”の旋回による誤差が挙げられます。これは、特定の作業条件下でよく見られる誤差であり、従来の方法では対応が難しいものでした。新たなサービスは、このような実際の作業条件に即した精度補正を実現します。
空間精度補正の効果
空間精度研究所は、独自の技術を活用し、工作機械の加工精度を空間全域で可視化することに成功しています。この技術により、補正パラメータの生成が自動化され、熟練オペレータの経験に依存した作業から脱却することが可能となります。
この補正サービスの導入によって、CAMから出力された加工プログラムをそのまま利用することができ、机間のプログラム転用が容易になります。特に、同一の加工プログラムを使って複数の部品を製造する際の寸法安定性が向上し、全体の生産ラインの効率化に寄与します。
空間精度とは何か
空間精度は、誤差要素同士の相互作用を考慮したもので、従来の真直度などの単一評価指標だけでは測れない、実際の工具軌跡の誤差を定量的に評価するための概念です。この考え方をもとに、各加工点の指令位置からの3次元的なずれ量を直接評価することができます。
空間精度研究所では、これらの知見と技術を結集し、工作機械の精度を向上させる取り組みを行っています。新たな補正サービスは、現場での生産性向上を実現し、業界全体に大きな影響を与えることでしょう。
会社概要
空間精度研究所は、2019年に設立され、京都市中京区に本社を構えています。代表の下池昌広氏のもと、工作機械の精度測定・補正サービスやソフトウェアの受託開発に取り組んでいます。サービスに関する詳細は、公式ウェブサイトを通じて問い合わせることができます。
この新たな補正サービスの登場は、工作機械の精度に新たな光を当てるものとなるでしょう。4050年の時代に求められる精度向上の流れに適応していくことで、今後も空間精度研究所は進化を続けていくはずです。