スペースデータとUAE宇宙センターがデジタルツイン技術で提携
株式会社スペースデータ(本社:東京都港区)は、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)との間でデジタルツイン技術に基づく基本合意書を締結しました。この提携により、UAEでのデジタルツイン経済の促進と月面探査計画「Emirates Lunar Mission」に向けた革新的な取り組みが期待されます。
2025年1月13日、ドバイのMBRSCで行われた署名式には、スペースデータの代表取締役社長佐藤航陽氏と、MBRSC長官H.E. Salem Humaid Al Marri氏が出席。両者はこの提携を通じて、宇宙開発へのアクセス作りと月面探査の新たな地平を切り開くことを目指しています。
デジタルツイン技術の可能性
スペースデータは、宇宙という広大な空間をデジタル技術で身近に感じられるようにすることを目指しています。この技術は、地球から国際宇宙ステーション(ISS)、さらには月面の状態をデジタル空間上で再現し、シミュレーションすることを可能にします。
たとえば、デジタルツインは、宇宙機の運行や、宇宙での様々な条件下における実験データをリアルタイムで再現するための基盤を提供します。このような技術をUAEに提供することにより、経済発展や月面探査計画のさらなる進展に貢献します。
ドバイでのデジタルツイン経済促進
提携の一環として、スペースデータは、ドバイ及びUAEの都市環境をデジタル空間上で再現することを計画しています。このプロジェクトは、観光振興や経済活性化に寄与することを目的としており、多様なデジタル体験を通じて世界中の観光需要を喚起することを目指します。
さらに、UAE政府の衛星データと気象データを活用して、災害予測を目的としたデジタルツインの構築が進められています。これにより、地域の安全性を高め、経済成長を支える新たなインフラを生み出すことが期待されています。
月面探査ミッション「Emirates Lunar Mission」への貢献
また、UAEの月面探査ミッションである「Emirates Lunar Mission」においては、月面探査ローバー「ラシッド」のためのシミュレーション環境が構築される予定です。これにより、月面での探査活動の効率を高め、さらなる科学的発見の可能性を広げることができます。
そのほか、UAE宇宙飛行士の訓練環境の向上を目指し、高精緻なシミュレーション環境も提供される予定です。これにより、安全で効果的な月面探査訓練が実現します。
今後の展望
本提携は、単に宇宙探査の未来を切り開くだけでなく、UAEと日本の技術融合を促進します。アラブ首長国連邦の宇宙技術は急成長しており、スペースデータの技術はその発展を支える重要な役割を果たすことになるでしょう。
プロジェクトの具体的な進展は今後の宇宙開発の未来を形作る上で大きな影響を与えると期待されています。
本合意書の締結は、日本政府とUAE政府の協力の下で実現し、関係者の尽力によるものです。今後、両者の協力が深化し、新たな宇宙探査のビジョンが形作られることを期待しています。