日本初の鉄筋加工ECサイト「REBAR SYSTEM」が登場、建設業界の課題に挑む

新たなECサービスの誕生

2024年9月18日、株式会社ベクトル・ジャパンが鉄筋加工の専門ECサイト「REBAR SYSTEM」をオープンしました。このサービスは、建設業向けに特化されており、ユーザーは専用ページから簡単に鉄筋の種類や加工パターンを選ぶことができるようになっています。関東全域を対象に、曲げ加工された鉄筋を手軽に配送することが可能です。

現状の課題

近年、建設業界の高齢化が進んでおり、2023年には55歳以上の労働者が約36%を占めています。熟練の技能工の引退により、技術力不足が深刻化しているのが現状です。また、若年層の就業人口も減少しており、労働時間の削減に伴って必要な作業が十分に行えないケースも増えています。配筋図を作成するためには、専門のソフトウェアを駆使し、膨大な手作業が必要です。この負担を軽減する手段が求められています。

3Dモデルの活用

ベクトル・ジャパンでは、この現状を打破するために、鉄筋の3Dモデル化に注力しました。10年以上にわたり、構造設計事務所として多くの土木構造物の配筋3Dモデルを作成してきた知識と経験を活かし、パートナー企業と協力して、ECサイトの開発に至りました。このサービスを利用すれば、必要な分を必要なタイミングで購入し、素早く現場に届けることが可能です。

利用手順

「REBAR SYSTEM」の利用は非常に簡単です。まず、公式サイトにアクセスし、「注文を行う」からスタートします。そして、加工パターンを選び、強度や径、メーカー、寸法パターンを入力します。最後に必要な長さと数量を入力すれば、鉄筋の価格が表示されます。これにより、急な資材の不足にも迅速に対応できる仕組みが実現しました。

さらなる展望

今回は関東エリアに特化したサービスですが、今後は全国規模へと展開を計画しています。また、鉄筋販売に留まらず、ベクトル・ジャパンが開発した3D配筋モデルを用いて、従来の図面作成や加工帳の自動生成を可能にするシステムの構築も進めています。これにより、従来の手動による作業を削減し、エラーやコストを軽減することができます。

総括

建設業界の人手不足や作業負担の軽減に向けて、REBAR SYSTEMは有力なソリューションを提供しています。設計から納入までを一貫して行える体制を整えることで、より効率的な建設業務を実現し、業界全体の活性化に寄与することを目指しています。今後の展開にぜひ注目したいところです。

会社概要

株式会社ベクトル・ジャパンは、東京都中央区に本社を構え、1990年に設立されました。代表取締役は安藤浩二氏で、一般公共構造物や民間構造物の建築構造設計を手がけています。さらに、動的・静的非線形解析に関するコンサルティングなども行なっています。詳細については公式ホームページをご覧ください。

公式サイト: ベクトル・ジャパン