企業の多様化を実現する！女性社外取締役育成支援の新たな試み

企業の多様化を実現する新たな支援体制

近年、企業における多様性の重要性が高まっている中、パーソルキャリア株式会社が新たな取り組みを発表しました。彼らのプロフェッショナル人材による経営支援サービス「HiPro Biz」が、日本経済新聞社の「女性社外取締役育成講座」と手を結び、女性を対象とした社外取締役候補者の育成から就任後のサポートまでを一貫して行うことが可能になりました。この連携は、少ない女性社外取締役を増やし、企業の意思決定に多様な視点を取り入れることを目的としています。

背景にある課題

ここ最近、上場企業ではコーポレートガバナンス・コードの改定や人的資本の開示義務化に伴い、取締役会での多様性の確保が急務となっています。特に、女性を始めとした多様なバックグラウンドを持つ社外取締役の登用が企業価値を向上させるためには不可欠です。現在、経営経験を有する候補者が限られており、人脈に依存した選考プロセスが多くを占めていることが、問題として浮上しています。

「HiPro Biz」は、これまで企業のニーズに応じた独立役員の紹介を行ってきましたが、女性役員候補を増やすための継続的な支援体制を望んでいました。一方で、「女性取締役育成講座」も修了生を輩出しているものの、実際の取締役先を見つける重要な部分に課題が残っていました。

具体的な取り組み

【1】「HiPro Biz」の独立役員紹介責任者が「女性取締役育成講座」に講師として登壇し、企業に求められる社外取締役のニーズやレジュメ作成の実務を伝授するプログラムを提供（9月予定）。

【2】受講者には「HiPro Biz」からのサービス案内があり、適切なチャンスを見つけるためのアセスメントや具体的な案件のマッチングが行われます。

【3】参加者限定のイベントを開催し、人脈を広げる場を設けることで、実際の就任につながる機会を提供します。

この連携を通じて、女性社外取締役候補者の育成から企業へのマッチング、就任後のフォローをすべて一手に支援することが可能になります。この流れは、企業に新たな視点をもたらし、より多様な意思決定が行える環境を築くことを目指しています。

未来への展望

「HiPro Biz」の独立役員紹介責任者は、2019年からの実績をもとに、企業と個人のニーズを真剣に受け止めながらサービスの進化を図っています。また、社外取締役としての経験がない方の見極めの難しさや、実践的な研鑽の場が不足しているといった課題も指摘されています。コーポレートガバナンスの改正に伴い、社外取締役の数は増加していますが、適任者が少ないため、兼任者が増えているのが現状です。この背景を受け、継続的に活躍できる社外取締役を育てるための取り組みが求められています。

今後は、未経験者向けだけでなく、経験者向けの講座も計画しており、日本のコーポレートガバナンスの強化に一層貢献していくことを目指しています。女性社外取締役の育成支援という新たな取り組みから、各企業の成長と持続可能性、ひいては日本全体の経済成長への寄与が期待されます。