グリーン株式会社が推進するスマート農業支援ビジネス
グリーン株式会社は、先日の発表で、そのスマート農業支援ビジネスが国際的なプログラム「TSUBASA2025」に認定されたことを明らかにしました。このプログラムは、JICAとIDB Labが共同で実施するもので、中南米やカリブ地域における事業展開を志すスタートアップ企業に向けたものです。
農業の現状と課題
ブラジルは世界の農業生産において重要な地位を占めていますが、気候変動の影響や過剰農薬の使用に伴う土壌の劣化など、深刻な課題にも直面しています。このような課題に対応するため、スマート農業の導入が急務とされています。特に、持続可能な農業を実現する方法を模索することが求められています。これに対抗する手段の一つとして、グリーンが提供する「e-kakashi」があります。
「e-kakashi」の概要
「e-kakashi」は、2020年度から2023年度にかけて日本で行われた実証実験での成功を受けて、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州においても展開を目指しています。この技術は、IoTセンサーおよびAIによるデータ分析を駆使し、農薬の最適化を図るものであり、すでに稲作において368米ドル/ヘクタール、大豆栽培では60米ドル/ヘクタールの増収を実現しています。
スマート農業支援技術の導入
グリーンは今般のプログラムで、大豆、トウモロコシ、コメを対象に、新たに開発した衛星画像解析技術とIoTセンシングを組み合わせた画期的な農業支援技術を導入する計画です。この技術を導入することで、収穫の最適時期や病害虫の発生を早期に予測し、最適な水や肥料の管理が可能になるため、収益性を高めながらも環境への負荷を軽減することができます。また、デジタル化された生産履歴により、サプライチェーン全体の透明性が向上し、トレーサビリティの強化も視野に入ります。
マネタイズモデル
収益化の仕組みも多岐にわたる予定で、IoTデバイスの直販やSaaS型サブスクリプション、トレーサビリティデータの販売などを通じて、多角的に収益を上げるモデルを検証するとのことです。
環境省の補助金獲得
さらに注目すべきは、グリーンが提案したプロジェクトが経済産業省の補助金に採択された点です。これにより、ブラジルにおけるスマート農業の市場開拓も加速しそうです。
TSUBASAプログラムの支援内容
「TSUBASA」は、日本のスタートアップ企業が中南米やカリブでSDGsに関連する課題解決を目指す支援プログラムです。参加者はエキスパートによるメンタリングや現地ネットワークへの紹介、渡航サポートなど、さまざまな支援を受けられます。このプログラムの中での成功は、将来的な追加支援の可能性を開くことにもつながるでしょう。
まとめ
グリーン株式会社のスマート農業支援技術の展望は、非常に明るいものといえます。海外市場展開の大きなステップである「TSUBASA2025」プログラムでの成果を活かし、持続可能な農業の推進とビジネスの成長が期待されます。国際的な競争が激化する中、グリーンの取り組みがどのような革新をもたらすのか、注目が集まります。