米山由夏の個展「●REC」
2025年9月5日(金)から東京都渋谷区のルーフギャラリー1Fにおいて、米山由夏の待望の個展「●REC」が開催される。この展示では、彼女のこれまでの創作活動を反映した新作が発表され、観客に記憶や記録のプロセスを通じて再構築された絵画体験を提供する。作品は、実際に取材した風景や物体を基にしており、米山の感受性が織りなす具象と抽象の境界を行き来するダイナミックな視覚表現を楽しむことができる。
展示内容と体験
「●REC」というタイトルからもわかるように、今回の展示はアート制作の全過程—取材、撮影、再構成、描写、展示—が強調されている。このプロセスはまるでレコーディングのようであり、観客自身も作品の成り立ちを体感できる形をとっている。特に、作品に使われている無機質な赤色調は、静謐さを持ちつつも重層的なグラデーションを形成し、深い余韻を感じさせる。
米山が描くモチーフは、彼女自身がこれまで強い興味を持ってきた素材や形状によって選ばれ、その抽象的な構成が具象表現と交錯することで、独自の視覚体験を生み出している。観客は、彼女の作品を通じて赤の色に秘められた意味や感情に触れ、より深い理解を得ることができるだろう。
オープニングレセプション
展示に先立って、2025年9月4日(木)にはオープニングレセプションが行われる。入場は無料で、予約も不要なので気軽に立ち寄ることができる。在廊予定の米山と直接会話を楽しむ貴重なチャンスでもあり、作品についての理解を深める良い機会となるだろう。
芸術家の意図とモチーフ
米山由夏は、自身の作品制作において、記憶と感覚の往還が重要であると考えている。作品に描かれるものは、彼女が実際に目にし、触れた対象であり、そのフェティシズムがモチーフ選びに大きな影響を与えている。また、特定の素材に対する愛着を持つ「角フェチ」と自称し、形へのこだわりが作品に深く反映されている。
彼女の描く作品はいまだかつてないほどの自由な抽象性を持ちつつも、従来の具象表現の枠にとらわれない新たな形を生み出している。赤の色調が持つ無機的な印象は、彼女にとって普遍的な美を示しており、作品制作のプロセスを通じてその意味をさらに深めている。
主な情報
米山由夏の個展「●REC」は、2025年9月5日から10月6日(月)まで開催され、会場のルーフギャラリーは11:00から19:00までの営業時間にオープンしている。展示は現代アートの新しい方向性を探る機会であり、ぜひ訪れてみてほしい。特に注目すべきは、オリジナルグッズの販売も行われることで、長袖Tシャツやパーカーが用意されており、これまでの作品を身近に感じることができる。米山由夏の現在と未来、自らの表現の深化を体感する貴重な機会となるだろう。ぜひこの展覧会に足を運び、米山由夏の世界を堪能してほしい。