TICAD9での新たな提案
2023年8月20日から22日まで、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)。この重要な国際会議で、明治株式会社が新たに開発した「カカオバイオプラスチック」が注目を浴びました。この素材は、アフリカの持続可能なカカオ生産を支える要素として、ボールペン「サラサクリップ」に活用され、参加者に配布されました。
カカオの持続可能な利用
明治は、アフリカ産カカオの未活用部位をアップサイクルすることで、新しいビジネス機会を模索しています。同社は、カカオの種皮を使用して、環境に配慮したバイオプラスチックを製造。このプロセスを通じて、精神的な価値と経済的な利益を生み出すことを目指しています。カカオは主にチョコレートとして利用されていますが、実際にはその何割かしか使用されておらず、残りは廃棄されがちです。この新素材は、その未使用部分を有効活用することを目的としています。
美容への応用も
また、明治は「カカオセラミド」という美容成分を開発し、チョコレートなどにも利用。これにより、カカオの多様な可能性を引き出し、ただの食材にとどまらず、健康や美容にも寄与する素材として市場に広めることを計画しています。カカオのリソースを最大限に取り入れた取り組みは、社会的意義とともに環境問題への解決策としても注目されています。
TICADとは
TICAD(Tokyo International Conference on African Development)は、日本政府が主導し、アフリカの開発をテーマにした国際会議です。1993年から実施され、各国の首脳や企業人が一堂に会し、アフリカ市場への日本企業のビジネス展開をサポートすることを目的としています。
新素材「カカオバイオプラスチック」の特性
このカカオバイオプラスチックは、環境への影響を減少させると同時に、柔軟性と衝撃吸収性を備えた素材です。今後の利用範囲も期待されており、美容用品や食品トレーなど、さまざまな製品に応用が可能です。サラサクリップは、このカカオバイオプラスチックを使用しており、金色の刻印も施されています。
課題への取り組み
カカオ産業は、児童労働や森林減少といった社会的な問題を抱えていますが、明治は約20年にわたって、「メイジ・カカオ・サポート」という支援活動を通じて、アフリカの農家をサポートしてきました。ガーナでは、明治の業績が評価され、社員が名誉酋長に任命されるという栄誉を得ました。
持続可能な社会の実現を目指して
明治は、これからもカカオの新しい可能性を広げ、環境への配慮とともに持続可能な社会の実現を目指します。アップサイクルや新素材の開発は、未来の農業ビジネスにおいて重要な役割を果たすことでしょう。これらの取り組みは、単に商業的利益を追求するだけではなく、より良い社会を形成するための真剣な努力であると言えるでしょう。カカオの新しい可能性が、未来の持続可能な発展に寄与することを期待しています。