エミレーツ・スカイカーゴ、輸送ネットワークの新たな幕開け
2025年8月、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイにて、世界最大の国際航空会社であるエミレーツ航空の貨物部門「エミレーツ・スカイカーゴ」が、東アジアから世界各地への輸送ネットワークを強化した。この取り組みにより、中国・杭州への旅客便の就航により、毎週21,000トンを超える貨物輸送能力が確保された。これは、アジア以外に本拠地を持つ航空会社の中でも最大かつ多様な路線網を持つものとされている。
エミレーツ・スカイカーゴは、現在、アジアの12の国・地域にわたる25都市を結び、週に44便の貨物専用機を運航している。この地域は、当社の広大なグローバルネットワーク内でも最も活発に貨物便が運行されているエリアとなっている。さらに、東アジアからのチャーター便も週に13便運行し、アジア企業に対して安定した輸送能力と接続性を提供している。
貨物輸送の効率化と需要の急増
エミレーツ航空は、航空便の運航頻度が高く、特に東アジア・東南アジアからは約30分おきに便が出発している。この地域の経済成長に関して、極東・オーストラレーシア地区の貨物営業担当副社長アブドゥラ・アルカラフィ氏は、「東アジアと東南アジアは当社のグローバルネットワークの中心であり、世界の物流と貿易の未来を形成する重要な地域です。」と語っている。
この地域では、特に医薬品や電子機器、消費財などの輸送が行われており、毎週450トン以上の生鮮品、100トンの医療機器、75トンの電子機器が世界各地に届けられている。さらに、eコマース関連の貨物も1,300トン以上に達し、国際貿易のスピードを加速させている。
「空のシルクロード」としての役割
エミレーツ・スカイカーゴは、「空のシルクロード」としても知られる航空輸送のルートを通じて、世界市場との迅速かつ効率的な接続を実現している。145都市に広がるネットワークは、国際貿易を促進する上での強みを際立たせている。特に、中国の「一帯一路」構想において、50か国以上への速やかで信頼性の高い輸送サービスを提供することが求められている。
新たなパートナーシップでの成長を目指す
さらに、エミレーツ・スカイカーゴは、エアアジアの独占貨物パートナー「テレポート(Teleport)」と戦略的提携を結び、ドバイを経由して東南アジアと世界をつなぐ貿易の拡大を支援。これにより、アジア地域内の主要・地方・三次空港を含む100以上の空港へのアクセスが可能となっている。また、欧州や米国、カナダへの接続向上というメリットも提供されている。
未来の展望と成長戦略
エミレーツ・スカイカーゴは、東アジアでの運航を開始した2002年以降、数々の新しい基準を設けてきた。特に、成田国際空港への初の定期直行貨物便の運航開始は、医薬品や半導体部品をより迅速に輸送することを可能にした。この進展は、今後10年間の成長戦略に基づいて、さらなる増便や新規路線の開設を進める計画の一環であり、地域内の接続性を強化し、グローバルなサプライチェーンの強化を図ることを目指している。
エミレーツ航空は、多様な文化背景を持つ従業員が集まり、受賞歴を誇るサービスを世界中の顧客に提供している。全ての事業活動において、最先端の効率と快適さを兼ね備えた航空機を運航しながら、国際物流の未来を形作る上での重要な役割を担っている。
今後も注目が集まるエミレーツ・スカイカーゴは、アジアの経済成長の中心地として、国際的な輸送ネットワークの強化を進めていく。