女性のニオイ悩みと新成分「プレラクトン」
近年、身だしなみに対する意識が高まる中、特に女性の間で体臭への関心が急増しています。体臭に悩む女性は多く、その原因はさまざまです。そこで、ロート製薬株式会社が進めている研究が注目されています。新成分「プレラクトン」がこの問題にどうアプローチするのかを詳しく見ていきましょう。
プレラクトンとは?
プレラクトンは、体臭を放つ原因の一つである香り成分「ラクトン」の前駆体です。ロート製薬が行った最近の研究によれば、このプレラクトンが不快臭成分のいくつかを低減するだけでなく、甘い香りのラクトンへと変化することが分かりました。この研究結果は、2025年に開催される日本味と匂学会第59回大会で発表される予定です。
体臭のメカニズムとその変化
女性の体臭において特に重要な成分が「ラクトン」です。この成分は年齢と共に減少し、体臭に変化をもたらします。例えば、20代から60代の女性の調査によると、48.3%が体臭についての悩みを抱えていることが明らかになっています。年齢を重ねるごとに体への意識が高くなり、より一層の対策が求められるようになっています。
プレラクトン研究の成果
ロート製薬の研究では、プレラクトンが実際に不快臭の原因となる酸を低減することが発見されました。具体的には、酢酸やイソ吉草酸、イソ酪酸などの悪臭成分にプレラクトンを加えることで、その濃度が低下することを確認しています。また、この過程でラクトンが生成され、全体的な香りの改善が見られました。
研究の具体的成果
1.
悪臭成分の酸含量減少
プレラクトンを添加した試料では、悪臭成分の酸の濃度が顕著に低下しました。これにより、プレラクトンが不快臭を緩和する可能性が示唆されました。
2.
ラクトンの増加
プレラクトンを追加した場合、ラクトンの生成量が増えることも確認されており、甘い香りの持続性が期待できるようになりました。
3.
不快度の評価
官能検査において、プレラクトンを加えた試料の方が不快度が顕著に減少したことから、実際にその効果が実証されました。
今後の展望
プレラクトンの研究を通じて、女性のニオイ悩みの解決法に新たな光が差し込んでいます。今までの対策では不快臭をマスキングすることに重きが置かれてきましたが、プレラクトンのような成分による根本的なアプローチが期待されています。
ロート製薬では、香りの科学に基づいた商品開発を進めており、今後はニオイが気にならない体づくりを目指す研究も続けていくとのことです。この研究が発展すれば、デオドラントなどの製品に新たな可能性が生まれ、多くの女性が抱える悩みを根本から解決できるかもしれません。
ロート製薬の「プレラクトン」は登録商標であり、今後も女性の体臭に関する新しい知見と技術が注目されていくことでしょう。私たちも、この研究の進展から目が離せません。