新制度「就労選択支援事業」が岐阜で始動
2025年10月1日、岐阜県岐阜市に本拠を置く一般社団法人サステイナブル・サポートが、障害者向けの新たな就労支援サービス「就労選択支援事業」をスタートしました。これにより、障害のある方々がより適切な就労支援を受けられるようになることを目指しています。この制度は、短期間の実際の働き方体験や適性評価を通じて、各個人の強みや課題を明確化し、それに基づいて適切なサポートを提供できるようにするものです。
「就労選択支援」とは何か?
「就労選択支援」とは、障害を抱える方が自分に最適な就労系サービスを選択するための入口となる新しい仕組みです。具体的には、利用者が短期間の就労体験を受け、その結果をもとに就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)などのサービスに移行できる流れを持っています。このような体制により、利用者は自分の能力や意向に基づいてサービスを選べるようになります。
制度創設の背景
障害者就労支援は「就労移行支援」や「就労継続支援A型・B型」を通じて行われてきましたが、実際にはどのサービスが適しているのか判断が難しい場合が多く、利用者が「思っていた支援と違う」と感じることがしばしばありました。特に、就労継続支援B型事業所の利用については、利用者のニーズと制度との間にギャップが生じているとの指摘もありました。
この問題を解決するために、厚生労働省は「短期間の体験・アセスメント」を通じて、利用者の適性や希望を見極め、その客観的なデータを基に次のステップを検討する仕組みを設けることにしました。これにより、就労支援の入口を整備し、ミスマッチを防ぎ、より納得のいく選択肢を提供することが目標です。
ノックス岐阜の10年間の実績
ノックス岐阜は、2015年に設立され、2025年10月に10周年を迎えました。地域に密着し、支援を必要とする方々に向けて、独自のサポート体制を整えています。2024年度には16名が無事就職を果たし、その定着率は驚異の90%を記録しました。
今後は新たに始まる就労選択支援事業を通じて、就労希望者が次の一歩を踏み出すための道筋をさらにクリアにし、地域のハローワークや医療機関、教育機関と連携を強化する方針を立てています。こうした取り組みにより、長期的な就労定着を目指し、質の高いサービスを提供し続けることが期待されます。
代表者からのメッセージ
サステイナブル・サポートの代表、後藤千絵氏は、10周年を迎えるにあたり、これまでの活動を振り返り感謝の意を表しました。「障害のある方々、そして働く意欲を持つ全ての人々に向けた支援を継続してきた。この道のりは決して平坦ではなかったが、多くの支援者や利用者に支えられ、ここまで来ることができた。」とのことです。
彼女は、「これからも『誰もが自分らしく生きることのできる社会』の実現に向け、挑戦を続けていく」と力強く述べています。この10年を新たなスタートとし、次の10年もさらなる成長を目指して活動を展開していく所存です。
一般社団法人サステイナブル・サポートは、各種の障害者支援事業やキャリア支援プログラム、啓発活動を通じて、地域社会のダイバーシティの推進にも取り組んでいます。私たちとともに、共生社会を構築していきましょう。