学生が求める人事担当者の本音とは？調査結果から見えたニーズ

近年、学生と企業のコミュニケーションの在り方が注目されています。特に、2026年に卒業する大学生や大学院生が人事担当者に求めるものについての調査結果が発表されました。株式会社学情の調査によると、約4人に1人が人事担当者が本音を隠していると感じていることが分かりました。一方で、学生の90%以上は人事担当者や現場の社員の本音を求めています。この現象は、Z世代特有のニーズと言えるでしょう。

調査の背景

現在、就職活動を行なっているZ世代は、マーケティングや広告よりも、信頼できる情報源として口コミやSNSを重視する傾向があります。彼らにとって、型通りのコミュニケーションよりも、リアルな意見を求めることが受け入れられているのです。今回は、2026年卒の学生が人事担当者から本音をどれだけ聞くことができているかを調査しました。

本音で話していると感じる学生の割合

調査の結果、実際に「人事担当者が本音で話してくれている」と感じる学生は約3割と報告されています。具体的には、「本音で話している」と感じる学生が13.8%、また「どちらかと言えば本音で話している」が23.1%となりました。これに対し、「本音で話していない」と感じる学生の割合も約3割を占めています。この背景には、学生が就職活動を進める上で、企業の「良い面」のみを強調されるコミュニケーションに対しての疑問が存在することが伺えます。

学生の中には、「志望度を上げるため、良い側面に焦点を当てるのは理解できる」といった意見もありますが、具体的には「自分の言葉で話す人事担当者」に対して特に魅力を感じるという声が多かったのが特徴です。いかに企業と学生のコミュニケーションが重要になっているかが分かります。

学生の本音を聞きたいというニーズ

さらに深掘りした結果、学生の73.6%が人事担当者や現場の社員の本音を「ぜひ聞きたい」と回答しています。「どちらかと言えば本音を聞きたい」という学生も19.3%に上っており、合わせて9割以上の学生が本音を求める声を上げている点は特筆に値します。彼らは、早い段階から業務の実情を知り、入社後のミスマッチを未然に防ぎたいと考えているのです。

「人事担当者の個人的な意見や考えを知りたい」「現場社員が日常的にどんな思いで仕事をしているかを理解することで就職後のイメージを具体化したい」といった意見も見受けられます。このように、学生が求める情報は単なる業務内容だけでなく、組織の文化や慣習への理解も含まれており、企業はこれに応える必要があります。