重力と宇宙を読み解く新刊『時空のゆがみを解きほぐす数学"
株式会社すばる舎から8月6日に発売される新刊『時空のゆがみを解きほぐす数学』は、重力理論と宇宙論を徹底的に探る内容が詰まった一冊です。この本はフィールズ賞受賞の数学者、シン=トゥン・ヤウ教授による深い洞察をもとに、現代物理学の基盤である一般相対性理論を詳しく解説します。
幾何学が鍵を握る
本書では、時空のゆがみがもたらす重力を理解するために幾何学がどのように重要な役割を果たしているのかを示します。特に、ヤウ教授の原題「The Gravity of Math」が示すように、数学の力が物理現象を解明するための強力なツールであることが強調されています。ブラックホールや量子重力に関する議論も展開され、かつてはSFの世界に過ぎなかった考え方が科学の最前線でどのように位置付けられているのかを垣間見ることができます。
本書の主要トピックス
- - 落下する物体、移り変わるパラダイム: 重力の基本的な概念に触れ、時代ごとの思考の進化を追います。
- - 一般へ至る道すじ: 一般相対性理論がどのように形成されてきたのかを詳しく掘り下げます。
- - 最高傑作 / 特異すぎる解: 数学が描く宇宙の美しさと複雑さを両方楽しむことができます。
- - 質量問題という問題のかたまり: 質量とは何かという問いに迫る内容です。
- - 「統一」への探求: 複数の理論がどのように統一され得るのかを探ります。
科学者たちの歩みを追って
本書はまた、時空や重力、さらにはブラックホールに関連する理論を通じて、科学者たちがどのように宇宙を探求し続けているのかも示します。特に「無毛定理」や「宇宙検閲官仮説」、さらには「弦理論」や「11次元多様体」など、さまざまな概念が解説され、これからの宇宙研究における重要なテーマを網羅しています。
著者と監訳者
著者スティーヴ・ネイディスは、科学ライターとしての豊富な経験を持ち、ヤウ教授との共著で数多くの作品を発表しています。一方、監訳者の辻川信二教授は、一般相対性理論や宇宙論の専門家であり、いかにして数理的アプローチが現代物理学の理解に寄与するのかを熟知しています。
書籍情報
- - 発行: 株式会社すばる舎
- - ISBN: 978-4-7991-1251-9
- - 価格: 本体3200円(税別)
この本は、数理物理学に興味を持つすべての読者にとって必携の書となるでしょう。時空の神秘がいかに解かれていくのか、ぜひその目で確かめてみてください。