UMITO PartnersがGGGIに加盟、海洋プラスチック削減への新たな挑戦
株式会社UMITO Partnersが、2025年4月に国際的なネットワーク「Global Ghost Gear Initiative(GGGI)」に加盟したことが発表されました。この加盟により、漁業から出る海洋プラスチックごみの一因とされる「ゴーストギア」の削減を目指し、持続可能な漁業の推進が期待されています。これは、UMITO Partnersが日本の民間企業として初めての加盟という重要なステップであり、プロジェクトの成功に向けた第一歩です。
ゴーストギア問題とその影響
「ゴーストギア」とは、海に放置された漁具を指します。この廃棄された漁具は決して自然分解されず、長い間海中に留まり、ウミガメや魚類などの生物に害を与え続けます。特に、ゴーストフィッシングという現象が問題視されており、海の生態系に深刻な影響を及ぼします。漁具は耐久性が高く、回収や分解が非常に困難です。結果としてこれらの漁具はマイクロプラスチックに分解され、海洋生物や最終的には私たち人間にも影響を及ぼすことになります。
最近の研究によれば、北太平洋における海洋ごみのうち、漁具が占める割合は70〜86%にも上るとされています。また、国内の海岸にも約60%が漁具由来のごみであると指摘されています。これらのデータは、漁具の適切な管理と流出防止、さらには再資源化に向けた取り組みが急務であることを示しています。
GGGI加盟の意義
GGGIとしてこのゴーストギア問題に取り組むことで、UMITO Partnersは国際的な知見と協力を通じて解決策を見出し、日本の漁業者と共に持続可能な漁業を実現することが可能になります。UMITOのミッションは、海のレジリエンスを高めることであり、今後は陸域と海域を一体的に管理する「30 by 30」などの国際的な政策に対しても貢献する意向です。また、UMITOは海洋プラスチックの削減にも積極的に取り組み、ビジネスの力を通じて環境保全と経済の持続可能性を両立させるサーキュラーエコノミーの推進を目指します。
代表者のメッセージ
UMITO Partnersの代表取締役である村上春二氏は、「私たちが目にしている廃棄・流出した漁具の状況は、改善の難しさと重要性を日々実感させます。GGGIへの加盟を通じて、多くの企業や関係機関と協力し、海と人が豊かな社会を実現したい」と述べています。
一方で、GGGIのアソシエイトディレクターであるJoel Baziuk氏も、「日本の民間企業として初めての加盟を非常に嬉しく思う。UMITO Partnersと共に、日本の漁業者や沿岸コミュニティと協力し、ゴーストギアから海を守る活動を進めていくことを楽しみにしています」と語っています。
UMITO Partnersの挑戦は、単にビジネスとしての利益を追求するだけでなく、より良い海を未来世代に残すための重要な役割を果たしていくでしょう。海洋環境の改善に向けた企業の取り組みは、波及効果を生むことで多くの人々を巻き込むことが期待され、それが持続可能な社会の形成に寄与していくのです。