伝統工芸と現代アートの融合
ikiri株式会社が新たに始めた金継ぎアートのプロジェクトが注目を集めています。この取り組みは、古くからの日本の伝統工芸である金継ぎを基に、革新と現代性を加えた作品を制作することを目的としています。プロジェクトは、世界最大級のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で公開され、多くの人々にその魅力を伝えることを目指しています。
プロジェクトのスタートは2025年4月29日から、対象国はアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドなど多岐にわたり、国境を越えて金継ぎの価値を広める意図が伺えます。
金継ぎの新たな可能性
金継ぎとは、壊れた陶器や器を修復する際に金粉を使い、ただ修復するだけでなく、修復された部分に新たな美しさを与える技術です。通常この技法には漆が使われるのが一般的ですが、ikiriの新プロジェクトでは漆を使用しない手法を取り入れています。これにより、もっと多くの人が金継ぎのアートに親しむことができるようになります。
金継ぎ師の木村いよ氏が監修を行っており、彼女の深い技術を活かしながらも、新たな表現方法を模索しています。この取り組みによって、従来の金継ぎの美意識を大切にしつつ、現代のライフスタイルに溶け込む新しいアート作品が誕生することでしょう。
持続可能なアートの促進
このプロジェクトのもう一つの重要な目的は、次世代を担う金継ぎ師の育成です。若手職人たちが育ち、金継ぎの伝統が未来へと受け継がれていくことを目指しています。壊れたものを単に修復するのではなく、その中に新しい価値を見出す金継ぎの精神を多くの人に広めることが重要です。
商品ラインナップ
プロジェクトでは、以下のような魅力的な商品がラインナップされています。
- - 梅花柄呼継ぎ湯呑み: 上品な梅の花が描かれた、手軽に使える湯呑み。
- - 木の葉浮彫り有田焼金継ぎ皿: 美しい葉の模様が浮き上がる皿で、食卓を華やかに。
- - 九谷焼呼継ぎ愛らしい蓋向椀: 縁起の良い柄が施された、使い勝手の良い蓋向椀。
- - 鳳凰牡丹柄九谷焼湯呑み: 伝統的なモチーフが現代風にアレンジされた一対の湯呑み。
- - 梅花柄九谷焼徳利: お酒を楽しむためのデザインが施された、上質な徳利。
ikiri株式会社の理念
ikiri株式会社は「Super Upcycle Japan」をコンセプトに、廃棄されるものにも新たな価値を与え、伝統工芸やアートを通じて持続可能な製品を提案しています。代表の東村奈保氏は、日本の美意識「粋」を現代に活かし、国内外へ広める活動をしています。2025年にはアパレル企業とのコラボレーションや、パリでの個展も予定しており、ますますその活動の幅を広げています。
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金継ぎアートの新しい可能性を感じさせるこのプロジェクトは、古き良きものを大切にしながらも、現代社会にふさわしい形で進化を遂げるものです。これからの展開から目が離せません。