東京の古民家カフェ42軒を巡る旅へ 『今日も、東京 古民家カフェ日和』が5年ぶりにリニューアル
「東京 古民家カフェ日和」は、文筆家・喫茶写真家の川口葉子さんが、東京の古民家カフェの魅力を伝える人気シリーズです。2019年3月の初版刊行から好評を博し、増刷を重ねてきました。しかし、時代の流れとともに惜しまれつつ閉店するカフェも出てきました。
そこで、5年ぶりに内容を刷新した改訂版『今日も、東京 古民家カフェ日和』が、2024年11月14日に発売されます。
今回の改訂版では、閉店したカフェに代わり、新たに14軒のカフェが加わりました。さらに、掲載されているカフェの情報も最新版に更新されています。
本書では、築50年以上という定義のもと、かつて長屋や銭湯、養蚕農家、織物工場だった建物が、時を経てカフェとして生まれ変わった42軒のお店を紹介しています。単なるお店の情報だけでなく、建物や人にまつわる心を揺さぶる物語も掲載されており、カフェを訪れる楽しみをさらに深めてくれます。
谷中文化が息づく「散ポタカフェ のんびりや」
1919年築の二階建ての古民家を改装した「散ポタカフェ のんびりや」は、谷中に佇むカフェです。戦後から昭和半ばまでは文房具店として親しまれていました。
店主夫妻は、大切に改装を重ね、レトロな雰囲気を残しながらも、居心地のよい空間を作り上げています。文房具店の居住部分に残されていた道具がそのまま座敷に置かれ、テレビや柱時計が懐かしい風情を漂わせる店内は、まるでタイムスリップしたかのよう。
「おかみ」と呼ばれる店主の奥様は、谷中で生まれ育った下町っ子です。国内外から訪れるお客さまに、谷中の魅力を伝え、街と人をつないでいます。
白い花々に包まれた楽園「POUND」
あきる野市にある「POUND」は、昭和初期の平屋カフェです。豊かな花木に囲まれた庭は、まるで楽園のようです。
店主夫婦は、旅行雑誌の編集・執筆に携わっていた経験を生かし、8年の歳月をかけてセルフリノベーションを行いました。天井や壁を抜いて開放的な空間を作り、ヴィンテージ家具と植物で彩られた店内は、ゆったりとくつろぎたい人にぴったりです。
古民家カフェの魅力を再発見
『今日も、東京 古民家カフェ日和』は、単なるカフェガイドブックではありません。古民家という歴史と文化を背景に、そこに暮らす人々の物語、そしてカフェが生まれた背景や店主の想いを紹介することで、古民家カフェの魅力をより深く知ることができます。
東京の街を歩けば、歴史を感じさせる古民家カフェに出会うかもしれません。本書を片手に、古民家カフェ巡りをしてみてはいかがでしょうか。