就職活動におけるAI活用の実態と学生の意識：ABABA総研の調査結果から見えた現代の変化

就職活動におけるAI活用の実態

最近の就職活動では、生成AIの活用がますます注目を集めています。株式会社ABABAが行った調査によると、2026年3月卒業予定の大学4年生245名のうち、約42%が就活時に生成AIを利用した経験があることが明らかになりました。この調査では、就職活動の各フェーズで生成AIがどのように使われているのか、その効果や学生の意見を探ります。

調査概要

この調査は、2025年5月27日から6月9日までの期間に実施され、245人の有効回答を得ました。調査では、エントリーシートの作成や面接対策といった具体的な利用シーンに焦点を当てています。

生成AIの具体的活用

調査結果では、約60%の就活生がエントリーシート作成に生成AIを使用しており、「エントリーシートの推敲」にも55.5%が活用しています。さらに、面接対策や自己分析にもそれぞれ35.5%、33.9%の学生が生成AIを取り入れていることが分かりました。これは、就職活動の多くのステージでAIが実際に奉仕していることを示しています。

メリットとデメリット

また、就活生の9割以上が生成AIを活用することのメリットを感じている一方で、一部は課題も抱えています。具体的には、半数以上が「効率的に就活を進められた」と答えた一方で、結果に不信感を持つ学生もおり、「AIからの出力に納得できなかった」とする声も聞かれました。この背景には、学生間でのAIに対する信頼度が分かれている実態も見え隠れします。

企業のAI活用に対する意見

企業側が生成AIを活用することについては、約80%が肯定的な反応を示し、特に「選考の効率化」を求める意見が多く寄せられました。一方で、「機械的な判断が人間らしさを奪うのではないか」という懸念の声もありました。この抑制的な意見からは、企業側にも慎重な運用が求められることが伺えます。

生成AIへの親近感

さらに、調査では生成AIに対する感情として、「親身になってくれる」と感じる就活生が32.2%を占めており、AIとの関係も感情面での変化が見られることが興味深いです。これまで冷たい印象を持たれがちだったAIが、今や学生にとって頼れる存在になりつつあることも浮き彫りになっています。

総括

近年、AI技術の進展は目覚ましく、就職活動においてもその活用が増えています。ABABAが行った調査からは、効率的に活動を進められる一方で、学生の不安や不信も生まれていることが明らかとなりました。今後、企業がAI活用を進める中で、学生の期待と懸念をどうマネジメントするかが、重要な課題となるでしょう。適切にAIを活用することで、双方にとって有益な就職活動が実現できることを期待したいです。