次世代のコンビナート通信環境の実現
2026年4月、NTTグループ(NTT東日本、NTTドコモビジネス、NTTドコモソリューションズ、NTTデータ)、1Finity、そして三菱ケミカルの連携により、工場設備点検における新たな試みが発表されました。この新技術は、IOWN® APNと60GHz帯の無線LANを組み合わせ、大容量かつ低遅延の通信環境を構築し、屋外に設置された工場設備の点検に関わる作業員の負担を軽減することを目的としています。
高度な通信環境が持つ意義
従来、屋外の工場設備においては、通信環境の制約とスマートメンテナンスの事例が少なかったため、作業の効率化が進みにくい状況でした。しかし、今回の検証を通じて、100Gbpsの伝送が可能なIOWN® APNにより、約700km離れたNTTグループのビル間を接続し、大規模なデータ伝送を実現しました。加えて、60GHz帯のWiGig技術を用いることで、数キロメートルにわたる無線通信環境が短時間で構築され、最大900Mbpsの上り伝送が可能となりました。
この新しい通信インフラは、屋外でのスマートメンテナンスに不可欠な、リアルタイムなデータ収集と分析を可能にします。特に、作業員の安全性向上に寄与し、あらゆる通信環境下でも安定したデータの取得が期待されています。
検証のプロセスと成果
実際の検証は岡山県の水島臨海工業地帯で行われ、屋外の工場設備における大容量データの伝送が行われました。利用した技術には、4Kカメラを8台用いてのデータ伝送が含まれ、実際に約400Mbpsのデータ通信を行った結果、軽微な遅延で画像が送信されることが確認されました。このことで、現場作業員はより安全かつ効率的に設備点検を行うことができるとされています。
今後の展望
今後、NTTグループ、1Finity、三菱ケミカルは、この検証の成果を基に、さらなる高度な通信環境の整備に向けて取り組むとしています。複数のロボットやデバイスを用いた異常検知技術など、スマートメンテナンスの多様な活用事例が期待される中で、地域の技術と知見をデジタル化し、さらなる業界の高度化を目指します。特に生産性向上と労働力不足という現代の課題に対するアプローチが期待されています。
この取り組みは、単なる技術革新に留まらず、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとして広く注目されています。各企業の異なる強みを生かし、将来的には世界中へと展開可能なスマートメンテナンスの実装が進むことでしょう。