近年、年齢に対する見方が変わりつつある中、セルフエイジズムという言葉が注目されています。この概念は、自己の加齢に対して持つネガティブな思い込みや先入観を指します。具体的に言うと、「いい歳してこんなことはできない」や「老いは悪」といった考えがその一例です。
キューサイ株式会社が行った全国アンケートにおいて、約9,000人中73%が自身の年齢を意識した行動を取った経験があることが明らかとなりました。特に、女性は76.2%であり、男性の69.8%を上回り、この現象が女性に強く影響を及ぼしている可能性を示唆しています。
セルフエイジズムを感じた瞬間
調査結果によると、セルフエイジズムを感じた場面として「体力や健康の衰えを意識した時」が男女共通のTOPでした。男性の37.5%、女性の48.6%がこの瞬間を挙げています。これは、年齢とともに身体的な衰えが自覚されることが、セルフエイジズムを引き起こす一因になっていると考えられます。
また、男女の比較では、男女ともに身体的な問題が主要な要因であることが分かりました。特に、女性は「老いに対する不安や恐れ」が42.0%で2位を占めており、男性の「他人との比較」(37.0%)とは異なる傾向が見えてきました。これは、女性がより個人的な側面からセルフエイジズムを感じやすいことを示しています。
健康状態への意識
興味深いことに、セルフエイジズムを経験している人々は、10年後の自分の健康状態をより具体的に想像できる傾向にありました。セルフエイジズム経験者の44.1%がその意識を持っている一方で、未経験者は36.3%と、経験者の方が7.8%も高い結果となっています。
この結果は、セルフエイジズムが必ずしも否定的な要素だけでなく、自身の健康について考えるきっかけとなる可能性を示しています。要するに、年齢に対するネガティブな印象が転機となり得るのです。
セルフエイジズムのポジティブな側面
「セルフエイジズム脱却プロジェクト」の立ち上げを通じて、キューサイはこの問題を社会に広め、加齢をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブな資産として認識する文化を醸成することを目指しています。重ねた経験から得る知識や自信を大切にすることで、人生をより豊かにするための鍵となります。
まとめ
年齢を重ねることが必ずしも悪いことではないことを広めていくことが、これからの社会において重要なテーマとなるでしょう。セルフエイジズムを通じて見えてくる自身の健康やライフスタイルへの意識の変化が、明るい未来を切り開く一助となります。キューサイは、世代を超えたウェルエイジングを促進するために、今後もその取り組みを続けていくことでしょう。