SUBARUの新しい挑戦とHPの3Dプリンティング技術
株式会社日本HPが、SUBARUが東京オートサロン2024に出展したコンセプトカー「SUBARU LEGACY OUTBACK BOOSTGEAR PACKAGE」の部品製造において、自社のHP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューションを採用したことを発表しました。この取り組みは自動車産業における部品の製造課題に新たな光を当てるものです。
3Dプリンティング技術の意義
自動車部品の製造は伝統的に金型を使用し、部品毎に専用の型を作る必要があり、コストやデザインの自由度に制約がありました。この制約が車両デザインに影響を与えることは明らかで、特にカスタマイズや少量多品種の部品開発が難しい点が課題でした。これに対してHPの3Dプリンティング技術は、金型を必要とせず、デザインの自由度を大いに高めることを可能にしました。
具体的には、HP Jet Fusion 3Dプリンターを使うことで、より柔軟なデザインが実現し、部品を急速に形状化することができるようになります。さらに、使用される材料であるHP 3D High Reusability PA12(ナイロン12)は、耐熱性や耐候性に優れた特性を持っています。加えて、80%を超える高い材料リサイクル率を誇り、環境にも配慮した製造方法が特徴です。
BOOSTGEARの重要性
新しいコンセプトカー「BOOSTGEAR」は、お客様に新たな体験を提供することを目指しています。遊び心のあるデザインの部品を通じて、ドライバーと車の新しいかかわり方を提案することは重要なテーマです。この名称は、車がユーザーに「後押し」をすることを象徴しています。特にこのコンセプトカーに搭載される新部品は、その実現を支える役割を果たしています。
製造された部品には、磁石を使用したスマート収納デバイスや、外部で音楽を楽しむためのスピーカー機能のあるスマートフォンホルダーなど、多彩な機能が盛り込まれています。これらはすべて装飾性と機能性を兼ね備えており、ユーザーの利用体験を豊かにすることを目的としています。
各社のコメント
SUBARUのデザイナーである須崎兼則氏は、3Dプリンティングの導入によって金型の制約から解放され、デザインの自由度が飛躍的に向上したと語り、今後も多品種少量生産への積極的な採用を表明しました。また、DMM.make 3Dプリントの井上悠マネージャーは、短期間での製造を実現したことから、HPの技術力に高い信頼感を寄せています。
日本HPの岡戸伸樹社長も、同技術が自動車部品に役立つことを嬉しく思い、今後のさらなる進展に期待を寄せていました。
まとめ
HPの3Dプリンティング技術によって、新たな設計可能性が広がり、SUBARUのコンセプトカーは未来の自動車デザインに新たな風をもたらすことでしょう。これからも、3Dプリンティング技術の進化と、その実用化がどのように展開されていくのか、注目が集まります。
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