契約業務におけるAI導入の現実
近年、企業の契約業務におけるAIの活用が進んでいます。特に、ドキュサイン・ジャパン株式会社が実施した調査によると、契約業務にAIを導入した企業はなんと4割を超えました。しかし、その一方で現場では「二度手間」や「AI疲れ」を実感している実務者が多く、効率化を目指して導入されたAIが逆に負担となるケースが目立っています。
AI活用の実態
調査の結果、契約業務におけるAI利用シーンの中で最も多く挙げられたのは「契約書レビュー」で、約6割の実務者がこの業務でAIを活用しています。さらに、契約書のドラフト作成や情報抽出も多くの企業で行われており、それぞれ52.4%、51.6%の割合でAIが利用されています。特に、契約管理プラットフォームを利用している企業が55.6%を占める一方、汎用的な生成AI(例えばChatGPT)も54.8%と非常に高い割合となっています。これは、契約に特化したツールを導入していない企業も少なくないことを示しています。
DXの遅れも影響
さらに、調査では契約業務におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れも浮き彫りになりました。約5割の実務者が契約書レビュープロセスにおいて様々な課題を感情しています。最も多い意見は「過去の類似契約を探すのに時間がかかる」が33.3%を占め、次いで「契約更新の期限管理が属人化している」が29.0%、情報が散在しているという意見が28.0%という結果でした。これらの問題から、契約管理においては依然として非効率が目立ち、業務全体のDXが進んでいないことが影響していると考えられます。
AI疲れの実態とニーズ
契約業務にAIを導入した結果として感じている負担については、「AIの出力を人間が確認し修正する必要があり、二度手間となっている」という意見が47.6%を占め、同率で「AIが契約の特殊性を理解しておらず、的外れな提案が多い」という声が聞かれました。効率化のために導入したAIが、逆に現場にストレスをもたらしているとの指摘であり、「AI疲れ」を感じている実務者が多くいます。
そのため、契約業務において必要とされるAIは、単なる効率化を超え、契約プロセス全体を一つの基盤で完結できる「自立型」AIへのニーズが高まっています。調査でも、自社の法務基準や過去の契約内容を学習し、リスクを指摘できるAIが求められていることが明らかになりました。
まとめ
ドキュサイン・ジャパンの竹内賢佑社長のコメントも印象的で、この調査から見えてきたことは多くの企業が効率化を望む中、部分的なAI導入ではなく、契約業務全体を俯瞰しタスクを自立的にこなすインテリジェントなAIが求められているということです。今後はこのようなAIを活用することで、契約業務の未来がどう変わっていくのかが注目されます。ドキュサインが提供する「インテリジェント契約管理(IAM)」は、まさにそのニーズに応えるものと言えるでしょう。