東大発AI企業Airionの挑戦
東京大学から独立したAIスタートアップであるAirion株式会社が、新たに製造業に特化したAI開発を進めている。特に、経済産業省とNEDOが実施する项目「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」に採択され、ラダープログラム生成用の大規模言語モデル(LLM)の開発を始めることが決定した。
ラダープログラムとは?
日本の製造業では、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)による自動制御が重要な役割を果たしている。その心臓部を担っているのがラダープログラムであり、これは主に工場の機械や設備の自動化に用いられるプログラミング言語である。ラダープログラムは、製造業において効率的な生産を実現するために必要不可欠な技術であるが、最近の人手不足が影響し、これを開発・維持できる人材の確保が困難になっている。
人手不足の解消と成果の向上
Airionが目指すのは、ラダープログラムに特化したLLMの開発である。この技術により、設備メーカーや工場は、自動制御設計にかかる工数を大きく削減できると期待されている。具体的には、実際に使用されているラダープログラムを基にしたデータセットを用いて、AIに独自の学習をさせ、業務の効率化を実現する。現場導入後は、実際の効果を検証するためのテストも行われる予定だ。
ニーモニック生成の可能性
このプロジェクトで開発されるLLMは、PLCによる解釈のためにラダープログラムのニーモニックを生成する能力も備えている。これにより、仕様書や図面を基にラダープログラムを自動的に生成することが可能となり、製造業におけるさらなる効率化が期待できる。
GENIACプロジェクトの意義
GENIACは、日本国内の生成AI開発力を強化することを目指している。経済産業省とNEDOが協力して、生成AIの基盤モデル開発のための計算リソースやデータの利用促進の支援を行っている。このプロジェクトは、様々な業界からAIの実用化を促進する重要なステップとして位置づけられている。
エンジニアの募集
さらに、Airionは製造業向けのAI技術を加速させるためのエンジニアや研究者を募集している。特に、LLM開発や製造業の専門知識を持つ人材の応募を歓迎している。これにより、AIがもたらす革新を一層加速させ、人手不足の解消に向けた努力を強化していくことを目指す。
会社概要
Airion株式会社は、2021年4月に設立され、AIやChatGPTを駆使した先端技術の専門家が集結した企業である。本社は東京都文京区本郷に位置し、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やFA(Factory Automation)領域におけるAI技術開発を行っている。企業は、多岐にわたる業種のパートナーとともに、製造現場の課題を解決するためのAIソリューションを提供している。
詳細については、公式ウェブサイト(
Airion公式サイト)を訪れてほしい。
お問い合わせ先
こうした取り組みを通じて、Airionは製造業の未来を切り開く存在となることを目指している。新たな挑戦に向けて邁進するAirionの今後に、目が離せない。