世界初のGI-POF極細内視鏡、医療の未来を切り拓く開発成果発表

慶應義塾大学とエア・ウォーター株式会社は、2023年4月に注射針レベルの極細内視鏡「Cellendo Scope」を共同で開発したことを発表しました。この内視鏡は、世界初のGI-POF（屈折率分布型プラスチック光ファイバ）技術を駆使しており、医療分野に新たな可能性をもたらしています。

GI-POF技術による革新

GI-POF技術は、光ファイバのコアに屈折率の分布を持たせることで、優れた信号伝送を実現しています。この技術を採用した内視鏡は、高解像度の画像伝送が可能であり、医療現場での利用においても効率的です。製造コストの削減にも寄与し、医療機器として普及が期待されます。

医療現場での応用展開

GI-POF極細内視鏡は、整形外科領域を中心に様々な医療分野での応用が進められています。関節内部の観察や耳科分野での治療に必要な観察が可能であり、さらに革新的ながん治療技術としても活用される見込みです。また、2025年には評価用のレンタルサービスが開始される予定で、医療以外の産業分野での需要も見込まれています。

具体的な応用事例

1. 整形外科での応用: 患者の身体に負担をかけず、関節内部の病変を観察することができるため、低侵襲な医療が実現します。さらに、エア・ウォーターと慶應義塾大学との共同研究によって、内視鏡の機能性が向上しています。

2. 耳科治療への利用: 突発性難聴や顔面神経麻痺などの疾患に対して、低侵襲で直観的なアプローチが可能です。新たに開発される治療法において、Cellendo Scopeが効果的に活用されつつあります。

3. がん治療技術: 光と機能性ナノ材料を用いた治療方法が開発中であり、これにより内視鏡ががん診断において重要な役割を果たすことが期待されています。特に、難治性な部位にまで正確にアプローチできる可能性があります。