武蔵野市での多世代支え合いプログラム
東京都三鷹市の杏林大学保健学部看護学科が、武蔵野市において災害時の復興支援に向けた新たな取り組みを実施しました。このプログラムは、地域住民が互いに助け合い、心と体の健康を維持することを目的としています。特に、高齢者と子どもにフォーカスを当て、彼らの特性を活かした支え合いを推進しています。
この活動は、武蔵野市高齢者支援課をはじめ、多数の行政関係者や地域のNPO法人との協力によって行われています。従来、避難所では高齢者や子どもは支援が必要とされる立場で捉えられがちですが、このプログラムでは高齢者を「くらしの名人」、子どもを「元気の源」と位置づけることで、互いに助け合う環境を整えています。これにより、共助の意識を育むことを目指しています。
実施内容と参加者の反応
プログラムは、今年2月15日に武蔵野市西久保コミュニティーセンターで開催されました。古川美和講師による「みんなでみんなを支援する」というタイトルのミニセミナーでは、高齢者や子どもの特性を活かした支え合いの可能性について説明が行われました。続いて、参加者は避難所での心身健康維持を目的とした運動プログラムに挑戦しました。
1歳から90歳代まで、29名の幅広い年齢層の参加者がリズム運動やボールを使ったゲームを通じて、笑顔で交流を楽しみました。たとえば、手を叩き合いながら進む「フラフープリレー」では、世代を超えた熱戦が繰り広げられました。
ボランティアの役割
また、看護養護教育学専攻の3年生7名がボランティアとして参加し、プログラムへの参加が困難な子どもたちの保育サポートや高齢者の転倒防止を手伝いました。彼らは日ごろの実習で培ったスキルを活かし、参加者へのサポートに尽力しました。
市の関係者からは、「多世代の交流から生まれる活気を体験しました。運動の力を再認識するとともに、被災者支援の新たな方策を学ぶことができました」といった感想が寄せられました。
今後の展望
このプログラムの企画運営に関わる古川講師は、「避難所での生活において、年齢や障がいを超えた支え合いを築くことが重要です。この取り組みは、復興支援の新たな一歩であり、今後は地域を越えた活動にも取り組みたい」と展望を語りました。
杏林大学の保健学部は1966年に設立され、1994年に看護学科が開設されました。地域の健康づくりに向けた取り組みや、看護教育の質を向上させる活動を通じて、これからも地域と連携していく意向です。